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Santa's Claws〜サンタズ・クローズ〜
-第1話〜武装サンタの住む村〜
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がゲカ燃料の研究者だからか?」
「だが見ての通りぼろぼろだ。それにあなた達もアウタレスなのだろう?よければどうやってアウタレスになったのか聞かせてくれないか?」
ラケンナの問いに、タズは語り始めた。
「俺達の事か?そうだな…俺がまだ軍にいた頃、親父は武装サンタだった。俺は休暇でここに帰郷した際、俺と親父はゲカアウタレスと対峙した。親父は俺を庇ってアウタレスに刺されたが、そのまま俺も刺されてゲカに取り憑かれた。親父は死に、何とかゲカを封じ込めた俺はアウタレスになった。」
タズは話を続ける。
「タナは父親がヒカのアウタレスだったからな。彼女は非常に珍しい生まれた時からのアウタレスだ。因みに今この地を離れているティアナもヒカのアウタレスだ。彼女は以前アウタレスに襲われた時瀕死に陥った。その時タナは身を削る程ヒカを彼女の体に送ったが結局駄目だった。それが原因で衰弱していたタナに別のアウタレスが襲い掛かってきたんだが、その時タナを守ろうとティアナはアウタレスに覚醒したらしい…」
「この村だけでアウターの力を制御できる人間がこんなにいるとはな…」
「だが強力なアウターの力にはいつだってリスクが付き纏う。」
「そうだな…ああ、思い出した事がある。」
ラケンナは顔色を変え、タズが彼の方を向いた。
「何をだ?」
「アウタレスになって感じ取ったのだが、アウタレス増加の原因はゲカ燃料ではない。」
「何?」
「何か…何かがアウタレスを誘き寄せて…いる…」
ラケンナの呂律が悪くなった。
「分かった。今はゆっくり休め。」
タズを無視し、ラケンナは話を続けた。
「娘に…これからも元気で…と伝えてくれ…」
急な台詞にタズが駆け寄った。
「おい、しっかりしろ。あんたはゲカに打ち勝ったじゃないか。」
病室の外にいたタナは状況を察し、ペリの額をそっと撫で、ラケンナは目を閉じる。
「そうだな…リスクは付き物だ…」
雪止まぬ冬の夜、ラケンナ・ホペは命を引き取った。

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「やはりゲカが脳にまで達していると、どうにもならんな…」
ラケンナ・ホペの遺体が病院から運び出される光景を前に、タズが呟いた。
「医療が発達しても尚、アウターの脅威は相変わらずね。」
タズの隣でタナが煙草を取り出したが、彼女はペリに気付き煙草をそっと仕舞った。ペリも二人に気付き、二人の方へ歩いてきた。

「あたし、決めたよ!あたしもお父さんみたいな立派な研究者になる!」

朝日を背に、少女の真っ直ぐな瞳は輝いていた。

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-第1話〜武装サンタの住む村〜 〜完〜

ラケンナの残した言葉
狙われた村
紅き死神

次回-第2話〜タナと村に忍び寄る影〜
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