THIRD INSTITUTE
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ォンス君にはホークアイさんを守って欲しいのに。
「死になさい」
ラストは私から爪を抜き右の爪で袈裟切りをしてきた。
そこに、私にとって安心する声が割って入った。
「よくやった、ソフィア・キャンベル」
その声にラストは硬直し、攻撃をやめてしまう。そこにアルフォンス君が私を庇うように前に立ち、一枚の壁を錬成した。
直後に爆発音。
それが間断なく実に2分。
ラストはマスタングさんの目が苦痛に歪むのは近い、という不吉な予言を最後に残して死んでいった。
ラストの死を確認した私は覚えた安堵とともに出てきた急激な眠気に逆らえず、意識を暗転させた。
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目を覚ますと視界に白が広がった。急激に覚醒する意識のおかげでそれは天井だとわかる。
自分は今、たぶんベッドに横たわっているのだろう。
「あぁ、そっか。入院」
私にとって直前のラストとの戦いが思い出される。その時私は彼女に脇腹を刺された。それが原因で今入院しているのだろう。寝巻きの下に手をいれて触ると、そこにはごわついた包帯が巻かれている。
その時、足の方からから声が聞こえた。
「お!起きた。大佐ーソフィアさん起きましたよ」
「む?そうか」
私は声のした方に体を起こす。そこには向かいの二つ並べられたベッドに上半身をベッドの背に預けながら寝ているマスタングさんとハボック少尉がいた。
「無理するな、ソフィア」
「いえ、大丈夫です。あのそれより…」
「安心しろ。みんな無事だ」
「ぁ、そうですか。良かったです」
良かった。あの後、敵の増援が来た、なんてことも考えられる。本当にみんな無事で良かった。もう親しい人が死ぬのは嫌だ。
聞く話によると私は二日ほど眠っていたそうだ。その間にホークアイさんがマスタングさんに叱られたり。大総統自身が人造人間と繋がっている可能性が浮上したり。いろいろとあったそうだ。
その中で一番衝撃を受けたのはやっぱり、
「ハボック少尉……大丈夫ですか?」
「へーきへーき。ソフィアさんは気にしないでよ」
ハボック少尉の両足が動かなくなってしまったことだ。これはもう現役ではいられないことを意味する。それ以前に残酷な話だが今後、人並みの人生が送ることは難しくなることを意味している。
口ではあんなことを言っているが本心ではどう思っているのだろうか。こんなことを考えてしまうのはおこがましいと分かっているが、考えずにはいられなかった。
その一週間後に私が、さらに私より五日遅れてマスタングさんが退院した。
ハボック少尉は軍を退役することを決めたそうだ。
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