暁 〜小説投稿サイト〜
天使舞う、この世界
NO.15 無色無番号
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ね?拉致とかしといて堕天しないの?」

「そう思うよにゃあ?こいつ本当に天使なのかにゃあ?」

「なんであきれた目で意気投合してるのよ。私は一応天使よ。でも、『霊結晶(セフィラ)』の影響で堕天しないの」

そうじゃなかったら人間の精神を持っている俺なんざ、とっくに堕天している。そう考えたら原作のイリナ、よく堕天しないな。尊敬するわ。

「それで、『霊結晶(セフィラ)』の力がかなりすごいから、その力のコントロールを教え、身内に引き込もうと思って拉致してきたの。単刀直入に聞くわ。私たちの仲間にならない?」

「・・・・・・話はわかったわ。でも、返事はNOよ」

「あら、それは何故?」

「まず話に信憑性がない。私の中にその力がある証拠がないわ」

「証拠としては不十分かもしれないけど、ルフェイ」

「へ?は、はい!」

「悪いけど『贋造魔女(ハニエル)』を出してくれる?」

「はい、わかりました。『贋造魔女(ハニエル)』!」

その声と共に、一本の箒がルフェイちゃんの手に収まった。

「ルフェイの持っている箒は『贋造魔女(ハニエル)』。さっきいった『霊結晶(セフィラ)』の力よ」

「・・・・・・」

しかしジャンヌの険しい表情は変わらなかった。

「どうしましょう。説得って難しいわ」

ルフェイちゃんは結構ちょろかったのに。

「レイナーレさん。今何か失礼なこと考えませんでした?」

「・・・・・・・・・ソンナコトナイヨ」

「ちょっと待つにゃ!なんでルフェイの時は誤魔化すにゃ!」

え?黒歌を弄るのが楽しいからに決まっているじゃないか!

「へぇ、貴女レイナーレって名前だったのね」

あ、そういえば自己紹介がまだだった。

「自己紹介がまだだったわね。改めて、私はレイナーレ。一応中級天使よ」

「私は黒歌。上級悪魔にゃ」

「えっと、知っていると思いますが一応、魔法使いのルフェイ・ペンドラゴンです」

「やっぱりルフェイだったのね。さて、私はジャンヌよ。で、そっちのちっちゃい娘は?」

「我、オーフィス」

瞬間、ジャンヌの顔が凍りついた。そしてギギギと擬音が聞こえそうな感じで俺の方に顔を向けた。

「・・・・・・『無限の龍神《ウロボロス・ドラゴン》』?」

「ええ。正真正銘ご本人(龍?)よ」

「・・・・・・ふっ」

あ、気絶した。

「やっぱりこれが普通の反応だと思うにゃあ」

「私もそう思います」

「うぅ」

オーフィス、頑張れ。


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