第九話 大室中佐!格闘茶道!!その十三
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「間に合っている」
「じゃあいいだろ」
「別に問題ないだろ」
「特に問題視するなよ」
「細かいこと言うなってんだよ」
「いや、五分前には来ていない」
大室が問題視しているのはこのことだった。
「五分前行動になっていない」
「あれっ、それ海軍衆だろ」
「海軍衆の話じゃねえのかよ」
二人はすぐに突っ込み返した。
「それ空軍衆もだったのかよ」
「初耳だぜ、おい」
「海軍衆だけではないのだ」
大室は二人にこう返した。
「日帝衆は全てだ」
「五分前かよ」
「五分前行動が鉄則かよ」
「そうだ、丁渡はあまりよくない」
アウトではないにしても、というのだ。
「五分前に来なくてはな」
「ちぇっ、生活がしっかりしてるな」
「日帝衆は真面目だな」
「遅刻しなかったらいいだろうに」
「それでセーフじゃねえのかよ」
「完全にはな」
アウトではないが完全なセーフでもないというのだ。
「俺達だったらいいけれどな」
「日帝衆だったら駄目なのか」
「駄目ではないがな」
それでもとだ、また返す大室だった。
「しかしだ、この話は終わってだ」
「ああ、じゃあな」
「今からな」
「はじめるとしよう」
茶道での勝負、それをというのだ。
「そして今回の勝負だが」
「そうだよ、それだよ」
「茶道でどうして勝負するんだよ」
二人はそれをだ、大室に問うた。
「茶道の作法の出来か?」
「それか?」
まずはそれではないかと尋ねたのだった。
「若しくはどの茶を淹れたかを当てるのかよ」
「それか飲み比べか?」
「一体どうして勝負をするんだよ」
「一体な」
「それはだ」
大室は二人の問いにはっきりと答えた。
「作法だ」
「それでかよ」
「競うのかよ」
「どちらがミスを犯すかまで勝負を続ける」
そうした勝負だというのだ。
「互いに茶を淹れ合い飲み合いながらだ」
「そうか、まあ俺達もな」
「今の勉強中だからな」
二人共ここで何処からか茶道入門の本を読んでいる、そうしてそのうえで大室に対してこう言うのだった。
「俺達も付け焼き刃で作法覚えたぜ」
「とりあえずミスはしないからな」
「正座はパワースーツを着てるから大丈夫だぜ」
「脚が痺れることはないぜ」
ご都合主義の機能でだ、そうしたことも防いでくれるのだ。
「後はあんたがミスするだけだ」
「俺達の付け焼き刃の知識舐めるなよ」
「これまで茶道は完全に素人だったけれどな」
「やってやるぜ」
「わかった、でははじめよう」
付け焼き刃でも自信満々の二人にだ、大室は礼儀正しく返した。
「これからな」
「さて、勝った後はな」
「近江牛の味噌漬けを貰うか」
「それを焼いて食うか」
「酒と一緒にな」
江戸時代
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