第3部 始祖の祈祷書
第1章 アンリエッタの決断
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「彼らは私客人ですわ。隊長殿」
「さようですか」
アンリエッタの言葉でアンリエッタと共に戻って来た隊長は、納得するとあっけなく杖を収め、隊員たちを促し、再び持ち場へと去っていった。
アンリエッタは再びルイズに向き直る。
「道中、何があったのですか?……とにかく、私の部屋でお話ししましょう」
アンリエッタは、キュルケとタバサ、そしてギーシュにウルキオラ、ルイズを自分の居室に入れた。
小さいながらも、精巧なレリーフがかたどられた椅子に座り、アンリエッタは机に肘をついた。
「あの子爵が裏切り者とは、どういうことですか?ウルキオラさん」
アンリエッタは、ウルキオラに何かを求めるように言った。
ルイズとウルキオラは何を求めているのかわかった。
しかし、キュルケとタバサ、ギーシュはアンリエッタがウルキオラに何を求めているのかわからなかった。
ウルキオラは道中の状況を見せるため、目を抉りだした。
ルイズとアンリエッタは、初めてではなかったので、驚かなかった。
しかし、キュルケとタバサ、ギーシュはウルキオラの行動にぎょっとした。
「ダ、ダーリン!なにしてるの??」
「うわぁ!やめたまえよ!」
「…っ」
キュルケとギーシュは大声を上げ、タバサは目を閉じた。
「黙っていろ。じきに分かる」
ウルキオラの目がゴポッと音を立て、取り出された。
そして、取り出した目を手の中に握り、潰した。
「『共界眼』」
ウルキオラの目が四散した。
すると、5人の頭の中に直接映像が流れた。
キュルケたちが合流したこと。
『女神の杵』亭で脱獄したフーケと、白い仮面の男、傭兵に襲撃されたこと。
二手に分かれたこと。
アルビオンへ向かう船で、空賊に襲われたこと。
その空賊が、ウェールズ皇太子だったこと。
ウェールズ皇太子に亡命を勧めたが、断られたこと。
アンリエッタへの伝言を預かったこと。
ワルドとルイズが結婚することになったこと。
しかし、ルイズが断ったこと。
すると、ワルドが豹変したこと。
そして、ウェールズを殺害したこと。
ウルキオラがルイズを守り、ワルドを撃退したこと。
映像が終わると、アンリエッタとキュルケ、タバサにギーシュは口をぽかんと開けたまま動かなかった。
アンリエッタはワルドの行動が、キュルケとタバサ、ギーシュは頭の中に映像が流れ、ウルキオラがなんなくワルドを撃退したことに驚いていた。
ルイズは俯き、真っ赤な顔をしている。
「これが、今回の任務の全てだ」
ウルキオラがそういうと、アンリエッタが震えた声で言った。
「あの子爵が裏切り者だ
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