DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十七話
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トリスアギオンが紡ぐ。
「『其の名は《天輔》』」
ガラディーンが紡ぐ。
「『其の名は《貪狼》』」
グリヴィネが紡ぐ。
「『其の名は《極天帝》
此処に、導は揃いて、我らは在るべき地へと帰る』」
――――《惟神》――――
「『《終わりより来たりて、始まりへと紡ぐ》』」
空が、割れる。
そこには、一機の巨大な、純白の戦艦が浮いていた。一人、また一人と、《白亜宮》が姿を消す。きっとあの船に乗り込んだのだろう。
「じゃぁね、人間のみんな!」
「……」
「みなさん、元気でいてくださいね〜!」
「さらばだ、人間たちよ。僕は君たちに――――期待しているよ」
そして皆徒が。ガラディーンが。グリヴィネが。《主》が。
姿を消した。確かに満ち足りた。そんな表情をして。
《六門世界》の空が歪む。虹色のオーロラのようなものが出現して、それが世界を包んでいく。同時に、セモンの意識も薄れ始めて―――――
***
「う……?」
目を覚ませば、そこは《白亜宮》の王城ではなく、何度か見た時計塔の一室だった。シンプルな作りのこの部屋は、小波にしては珍しいので記憶に残っていた。
「「清文!」」
その小波と、琥珀が、部屋の扉をバァン! という音と共に明け払って飛び込んでくる。
「うわわっ!? ど、どうしたんだよ二人とも……」
「どうしたんだよ、じゃないだろう……!!」
「もうぅっ……し、心配、したんだからぁ……っ!」
琥珀に至っては泣き出してしまう。見れば、小波の方でも瞳に涙を浮かべていた。
「ご、ごめん……心配、掛けた……」
「うん……もう……ど、どこにもいかないでよね」
「おう。善処する」
清文は琥珀の頭を撫でて、彼女をあやす。すると琥珀はキッ、とこちらを睨み付けて、
「善処じゃなくて、約束して!」
「え、ええ……? だ、だって……もしもの場合というのがだな……」
「そう言うのを起こさないでって言ってるのよ!!」
「本当だよ全く……」
小波が一歩進み出て、少しバツが悪そうな顔をする。
「まぁ、今回は俺の方にも非があったわけだし……ごめんな」
「いや……いいよ。別に」
清文は、本心からそう思っていた。
きっと姉も――――心から叶えたい夢があったから、こうやって自分を巻き込んだのだろう。《主》の介入があったにせよ、自分が面白そうだと思うことには他人を巻き込む、小波の悪い癖だ。
清文の答えを聞いて、彼女はすこし驚いたような表情を取ると、それ
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