DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十七話
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そんな全ての《拒絶》すら。
そんな遍く《否定》すら。
飲み込んで、包み込んで、温めてくれるその光を感じて――――
いつの間にか、陰斗は立ち上がっていた。
目を閉じて。でも、両手は広げて。光を受け入れる。拒絶はしない。
この優しい光を――――受け入れる。
そういう意思を以て。
光からは、『思いやり』があふれていた。人の心が、つまっていた。
だから分かったのだ。
ああ、もう僕は一人じゃない。
いや――――ずっと、一人じゃなかったんだ。最初から、皆ここに居たんだ――――
「僕はもう……独りじゃない……」
その時だった。
『始まりの名前』を呼ばれたのは。
ふりかえれば、そこには”彼女”が――――最初に出会った時と、同じ姿で立っていた。
よく見せてくれた、不器用な笑顔で。確かに、微笑んで。
「……今まで、すまなかったね」
陰斗は、彼女に向けて……もしかしたら独り言のつもりで、呟いた。
「けど、忘れないで欲しい。どれだけ世界が廻り廻っても、僕は君を愛したことを忘れない。いつだって君は、僕の『大好き』。永遠の『大好き』を、君に――――」
そう言って、近づいて。一度だけ彼女を抱きしめて。
殴られないうちに、すぐに離れて、踵を返す。
――――その瞬間。
「いってらっしゃい」
鈴の音の声で、いつかのように口にした彼女に――――
「いってきます」
僕もまた、同じように答えて。
――――さぁ、今いくよ。
天宮陰斗は、闇から駆け出した。
***
『ルォォォォォォォォ――――――……ンン……』
咆哮は、もう『慟哭』のそれではなくなっていた。
《自我の太陽》が、柔らかい色の無数の光へと爆散・消滅する。キラキラと光が舞い散るその中を――――シャノンが堕ちてくる。
「お兄様!!」
刹那が駆けだして、彼を抱き留めた。
「ああ……刹那かい……心配かけたね」
「本当ですよ……もうっ……お兄様……っ!」
シャノンを思いっきり抱きしめる刹那。その背をさすりながら、シャノンは目を閉じる。その顔は、『満たされた』ことを物語る、笑顔だった。
「……やったな」
「おう」
ハザードが近づいてくる。シャノンと刹那を眺めて微笑んでいたセモンは、それを受けてニッ、と笑った。
直後。
「うへぇっ!」
「うわっ!」
バシィッ!! という音が響き、天上の空間が割れる。そこから、見覚えのある赤い少年と緑の少年が落下してきた。
「カズ! リーリュウ!」
「おーいてて……あれ? どこだここ?
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