第十七話 闇の双剣士
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僕もお腹空いたな…]
一輝「しゃあねえ。弁当食うか」
鞄から包みを取り出して、それを解くと、サンドイッチがあった。
一輝「ほらよ」
レオルモン[ありがとう]
サンドイッチを頬張るレオルモン。
一輝はサンドイッチをカリムに差し出す。
一輝「食えよ」
カリム「え?」
一輝「あんなに走ったんだから小腹空いたろ。」
カリム「あ、ありがとうございます…」
一輝「味は期待すんなよ。あんた、いいとこ育ちのお嬢様みてえだし。多分、あんたの口に合わな…」
言い終わる前にカリムがサンドイッチを口にした。
カリム「…美味しいです」
一輝「ん?」
カリム「これ、とても美味しいです。優しい味がします」
一輝「…お世辞が上手いじゃねえか」
ニヤリと笑って、水筒のミルクティーをカリムに差し出す。
自分の分とレオルモンの分も入れ、一輝とカリム、レオルモンは少しばかりはちみつの入ったミルクティーを飲んでリラックス。
六つあったサンドイッチは一人二つずつ食べた。
カリム「ご馳走様でした」
一輝「ああ、お粗末様」
カリム「とても美味しかったです。あなたのお母様が?」
一輝「いや、俺が作った。母さんも父さんも、俺の世界で起きたテロ事件で、ある二人とデジモンに殺された。」
カリム「あ…ごめんなさい…」
一輝「気にすんな。あんたは何も知らない訳だし。俺ももう気にしちゃ…いないわけじゃねえけど。運が悪かったんだと諦めた。けどあの二人のことは今でも憎いし。デジモンも嫌いだ」
カリム「デジモン?」
一輝「レオルモンみたいな生き物だ。こいつらはデータで構成されたプログラム生命体…。最初はレオルモンのこともパートナーでも嫌いだった。でもこいつ、俺を何度も助けてくれた。何度も何度も拒絶したのに」
レオルモン[だって僕は一輝のことをずっと待ってたんだ。僕は一輝を守るために生まれた。だから僕は君にどんなに嫌われても守るよ]
一輝「そうかよ…まあ、そんなわけで前よりはデジモン嫌いはマシになったんだ。敵の場合は容赦出来ねえがな」
カリム「…一輝さん」
一輝「取りあえず、今の俺の目的は父さん達の仇を見つけてその二人を一発ぶん殴る。こればっかりは例え女でも手加減出来ねえ」
カリム「………」
何と言えばいいのか分からないカリムは俯いて黙ってしまう。
一輝「…とにかく、あんたの家は何処だ?折角だし送っていくよ」
カリム「え?でも…」
一輝「またあんなガラの悪い奴に絡まれたらどうするんだよ。いいからここは人の好意に甘えとけ」
スッと手を差し出す一輝に、そっと手を重ねるカリム。
カリム「では…お願いします」
一輝「はい、お嬢様…なんてな」
微笑を浮かべてカリムに道を教えてもらい、彼女を送る一輝だが…。
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