暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth20生命の源なる海の中で・・・〜Drachen des OzeanE〜
[1/12]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
†††Sideオーディン†††

「ごぼごぼごぼ・・・・!」

『マイスター!』

アンナが引き起こした海水を利用した攻撃によって海中に引き込まれてしまっていた。荒れ狂い流れる水流に必死に抗い、心配してくれたアイリに『問題ない、アイリ。心配するな』と応じ、酸素を求めて海上に上がろうとする。が、それを妨害するのは変わり果てた姿となってしまっているアンナだ。今のアンナは体は、上半身は彼女自身のもの。

(裸だが、バストトップだけは申し訳程度に鱗で隠れていて・・・助かる)

しかし下半身は人の足ではなく3m近い竜の尾で、透き通るような白さの鱗で覆われている。背には天使と悪魔の翼がそれぞれ2枚ずつの計4枚――と言う姿だ。竜の尾を魚の尾びれのように使って海中を高速移動し、私の頭上へと移動してきたアンナ。海面へ上がるのは無理だと判断し、私とシェフィの2人で生み出した水流系の術式を発動。

『(これで溺死・圧死は免れるな)アンナ! 自我があるなら、返事をしてくれ!』

水中でも外界のように自由に動ける魔力コーティングを施し、アンナに念話を繋げる。しかし返答は、

――ヤコブの荒流――

海中で起こる強烈な水流。成す術なくその荒い水流に飲まれ、視界がグルグル回る。その中でも『アンナ!』呼びかけるが、アンナからは「ΠИЮ⊆Ω∧Д」という、普通の人間では聞き取れない、理解できない言語を言うだけだ。しかし私は理解できる。知り合いにこの言語を扱っている者が居るからな。

『(ΠИЮ⊆Ω∧Д――斃さないと、か・・・。私の事だろうな、やはり。とりあえず・・・)私は大丈夫だ。アンナは私に任せ、各騎はそれぞれの戦いに集中してくれ!』

私を助けようとするかもしれないシグナム達に、助け無用の思念通話を入れておく。海中に入れば、間違いなく何をする事も出来ずにアンナに潰されるだろう。正直私でも勝てるかどうか判らない。何せアンナのあの体は・・・・

『いま助けるからな、アンナ!』


VS?―?―?―?―?―?―?―?
其は大海統べりし海竜の血族アンナ
?―?―?―?―?―?―?―?VS


荒れ狂った水流も収まり、体勢を整えた時にはさらに海底へと押し込まれてしまった。アンナはおそらく無理やり魔族化されてしまっているはずだ。自然で発現するものじゃないからだ。そんな事が出来るのは、魔族を知り、神秘を扱える奴――それは“堕天使エグリゴリ”だけだ。
居る。今、間違いなくイリュリアに“エグリゴリ”の誰かが居る。今すぐ飛んで行きたい。だが今はその思いを理性で封じ込める。アンナを救い、エリーゼ達の元へ連れ帰る。まずはそれからだ。だから・・・・

――静穏なる碧色の瀑雷(ポスィドトゥーヌス)――

「少々痛いと思うが辛抱してくれ!」

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ