第2部 風のアルビオン
最終章 決戦
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しまうのだ、と思った。
後悔の念がルイズの心を襲った。
「ああ、よくわかった」
ウルキオラはワルドに向かって言った。
ルイズは、悲しみから何も言えなかった。
すると、ルイズの前にいたウルキオラの姿が一瞬で消えた。
響転である。
ウルキオラはワルドの後ろ、5メイルほど先に移動していた。
「ぐわああああああ!」
ワルドの悲痛の叫び声が礼拝堂に響いた。
ルイズはその声に驚き、ワルドを見た。
すると、ワルドの左腕が切断され、地面に落ち着いた。
ワルドは、痛みからか地面に膝をつき、呼吸を荒げていた。
ウルキオラはデルフを振り降ろし、血を払った。
「お前が、俺を引き入れることができると思っていることが、よくわかった」
ウルキオラがワルドに向き直る。
ルイズは目を見開き、惚けていた。
「き、貴様〜!何のつもりだ!くそ!くそ〜!」
ワルドは切られた左腕の痛みを紛らわすかのように左肩を右腕で掴んでいた。
「何のつもりだ、だと?主人を守るのが使い魔の使命だろう?まさか、知らんわけではあるまい」
ウルキオラは冷静にワルドの問いに答えた。
ワルドは切られた左腕の痛みに耐えながら、呪文を詠唱した。
「ユピキタス・デル・ウィンデ……」
呪文が完成すると、ワルドの体はいきなり分身した。
1つ…2つ…3つ…4つ…、本体を合わせて、5体のワルドが現れた。
「分身か?」
「だだの『分身』ではない。風のユピキタス……。風は偏在する。風の吹くところ、何処となく彷徨い現れ、その距離は意志の力に比例する」
ワルドは息を切らしながら、ウルキオラに語った。
「なるほど、これで全ての謎が解けた。まさか、そのような魔法があるとはな…。仮面の男は、やはりお前だったか…ワルド」
ワルドの顔は驚きに支配された。
「ま、まさか…気づいていたのか!」
「お前と仮面の男の魔力が、酷似していたのでな…あながち間違っていなかったらしいな」
ワルドは屈辱で顔を歪めた。
「「「「「ふざけるな…ふざけるな〜!使い魔ごときが…使い魔ごときが…調子に乗るな〜〜??」」」」」
5人のワルドは血相を変えて、ウルキオラに怒鳴った。
そして、5つの『ライトニング・クラウド』がウルキオラに襲いかかる。
「「「「「ふ、ふはははは!どうだ!流石に君といえども、5つの『ライトニング・クラウド』をその身に受ければ、ただでは済まんだろう!」」」」」
しかし、ウルキオラはデルフを右手に構えたまま、その場を動かない。
そして、ウルキオラに5つの『ライトニング・クラウド』が、襲いかかった。
「ウルキオラ!」
ルイズは叫んだ。
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