第2部 風のアルビオン
最終章 決戦
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!」
そのワルドの剣幕に、ルイズは恐れをなした。
優しかったワルドがこんな顔をして、叫ぶように話すなんて、夢にも思わなかった。
「ルイズ、いつか言ったことを忘れたか!君は始祖ブリミルに劣らぬ、優秀なメイジに成長するだろう!君は自分で気づいていないだけだ!その才能に!それに、君の使い魔であるウルキオラ君は、未知の力を秘めたすばらしい存在だ!」
「ワルド、あなた……」
ルイズの声が、恐怖で震えた。
ルイズの知っているワルドではない。
何が彼を、こんな物言いをする人物に変えたのだろうか。
とある部屋、ウルキオラはデルフと話していた。
「なるほど、死神とかいう連中と虚は1000年以上も争っていたのか?」
「そうだ」
ウルキオラは目を擦りながら言った。
「相棒もその死神とやらと戦ってたのかい?」
デルフはウルキオラの質問に答えなかった。
「相棒?」
デルフはウルキオラに聞き返した。
「なんだ…これは?」
「どうした!?相棒!」
「これは、ルイズの視界…か?」
ウルキオラが言った。
いつか見た本の内容を思い出した。
『使い魔は、主人の目となり、耳となる能力を与えられる』
なるほど、逆の場合もあるのか…と思った。
だが、どうして、いきなりルイズの視界が見えるようになったのか?
ウルキオラは左手を見た。
そこに刻まれたルーンが、剣を持ってるわけでもなく、技を使用しているわけでもないのに、光り輝いていた。
なるほど、と思った。
これも能力か?
伝説の使い魔『イーヴァルディー』の能力なのだ。
ウルキオラはどんな映像が流れるのか気になった。
ルイズに対するワルドの剣幕を見かねたウェールズが、間に入って取り直そうとした。
「子爵……、君はフられたのだ。潔く……」
しかし、ワルドはその手を跳ね除ける。
「黙っておれ!」
ウェールズは、ワルドの言葉に驚き、立ち尽くした。
ワルドはルイズの手を握った。
ルイズはまるで蛇に絡みつかれたように感じた。
「ルイズ!君の才能とウルキオラ君が僕には必要なんだ!」
「私は、そんな、才能あるメイジじゃないわ」
「だから何度も言っている!自分で気づいてないだけなんだよルイズ!」
ルイズはワルドの手を振りほどこうとした。
しかし、もの凄い力で握られているために、振りほどくことができない。
苦痛に顔をゆがめて、ルイズは言った。
「そんな結婚、死んでもいやよ。あなた、私をちっとも愛してないじゃない。わかったわ、あなたが愛してるのは、あなたが私にあるという、有りもしない魔法の才能と、ウ
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