第2部 風のアルビオン
最終章 決戦
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デルフは、虚の話をするように促した。
「新婦?」
ウェールズがこっちを見ている。
ルイズは慌てて顔を上げた。
式は自分の与りしらぬところで続いといる。
ルイズは戸惑った。
どうすればいいんだろう?
こんな時はどうすればいいんだろう。
誰も教えてくれない。
唯一、その答えを持っているウルキオラは、今ここに居ない。
「緊張しているのかい?仕方がない。初めての時は、ことが何であれ、緊張するものだからね」
にっこりと笑って、ウェールズは続けた。
「まあ、これは儀式に過ぎぬが、儀式にはそれをするだけの意味がある。では繰り返そう。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして夫と……」
ルイズは気付いた。
誰もこの迷いの答えを、教えてはくれない。
自分で決めねばならない。
ルイズは深く深呼吸して、決心した。
ウェールズの言葉の途中、ルイズは首を振った。
「新婦?」
「ルイズ?」
2人が怪訝な顔で、ルイズの顔を覗き込む。
ルイズは、ワルドに向き直った。
悲しい表情を浮かべ、再び首を降る。
「どうしたね、ルイズ。気分でも悪いのかい?」
「違うの。ごめんなさい……」
「日が悪いなら、改めて……」
「そうじゃない、そうじゃないの。ごめんなさい、ワルド、わたし、あなたとは結婚できない」
いきなりの展開に、ウェールズは首を傾げた。
「新婦は、この結婚を望まぬのか?」
「その通りでございます。お2人方には、大変失礼を致すことになりますが、私はこの結婚を望みません」
ワルドの顔に、朱がさした。
ウェールズは困ったように、首を傾げ、残念そうにワルドに告げた。
「子爵、誠にお気の毒だが、花嫁が望まぬ式をこれ以上続けるわけにはいかぬ」
しかし、ワルドはウェールズに見向きもせずに、ルイズの手を取った。
「……緊張してるんだ。そうだろルイズ。君が、僕との結婚を拒むわけがない」
「ごめんなさい。ワルド。憧れだったのよ。もしかしたら、恋だったかもしれない。でも、今は違うわ」
するとワルドは、今度はルイズの肩を掴んだ。
その目がつりあがる。
表情がいつもの優しいものではなく、どこか冷たい、トカゲが何かを思わせるものに変わった。
熱っぽい口調で、ワルドは叫んだ。
「世界だルイズ。僕は世界を手に入れる!そのために君が必要なんだ」
豹変したワルドに怯えながら、ルイズは首を振った。
「……わたし、世界なんかいらないもの」
ワルドは両手を広げると、ルイズに詰め寄った。
「僕には君が必要なんだ!君の力が!ウルキオラ君の力が
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