第2部 風のアルビオン
最終章 決戦
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翌朝……。
ウルキオラは部屋のベッドから起き上がると、机に向かって歩き出した。
机の上に置いておいた斬魂刀とデルフを、腰と背中にそれぞれ差す。
そして、机の側にあった椅子に座った。
「なあ、相棒」
デルフがかちゃかちゃと口を開いた。
「なんだ?」
「本当にこれでいいのかい?」
「何がだ」
「貴族の娘っこのことだよ」
デルフは当たり前だろ?と言いたげであった。
「ワルドとの婚約のことか?」
「おうよ」
「ルイズが誰と結婚しようが、俺には関係ない」
ウルキオラは無表情で答えた。
「まあ、相棒がいいんならいいんだけどよ…」
デルフのこの一言を最後に暫しの間、沈黙が流れた。
しばらくして、デルフが再び口を開いた。
「そうだ、この前の話の続きをしてくれよ」
「虚のことか?」
「おう」
ウルキオラはデルフに虚について、話し始めた。
さてその頃、始祖ブリミルの像が置かれた礼拝堂で、ウェールズ皇太子は新郎と新婦の登場を待っていた。
周りに他の人間はいない。
皆、戦の準備で忙しいのであった。
ウェールズも、すぐに式を終わらせ、戦の準備に駆けつけるつもりであった。
ウェールズは皇太子の礼装に身を包んでいた。
明るい紫のマントは、王族の象徴、そしてかぶった帽子には、アルビオン王家の象徴である七色の羽がついている。
扉が開き、ルイズとワルドが現れた。
ルイズは呆然と突っ立っている。
ワルドに促され、ウェールズの前に歩み寄った。
ルイズは戸惑っていた。
今朝方早く、いきなりワルドに起こされ、ここまで連れてこられたのだった。
戸惑いはしたが、自暴自棄な気持ちが心を支配していたので、深く考えずに、半分眠ったような頭でここまでやってきた。
死を覚悟した王子たちの態度が、ルイズを激しく落ち込ませていた。
ワルドはそんなルイズに「今から結婚式をするんだ」と言って、アルビオン王家から借り受けた新婦の冠をルイズの頭にのせた。
新婦の冠は、魔法の力で永久に枯れぬ花があしらわれ、なんとも美しく、清楚な作りであった。
そしてワルドはルイズの黒いマントを外し、やはりアルビオン王家から借り受けた純白のマントを纏わせたか。
新婦しか身につけることを許されぬ、乙女のマントであった。
しかし、そのようにワルドの手によって着飾られても、ルイズは無反応。
ワルドはそんなルイズの様子を、肯定の意思表示と受け取った。
始祖ブリミルの像の前に立ったウェールズの前で、ルイズと並び、ワルドは一礼した。
ワルドの格好は、いつもの魔法衛士隊の制服である。
「では、式
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