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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
磔刑は聖人を裁きし矛
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煩わしいが、外套は気になる―――そんな板挟みがよく表れている。

「これは私の知り合いと戦闘したと思われる相手の持ち物のようです。意固地にも詳細は話してくれなかった為、憶測になりますけど」

「そう………。貴方はこれが何なのか理解している?」

「いえ、それも含めて今回お伺いに来た次第ですので」

「なら教えてあげるわ。これは聖骸布と呼ばれる魔術礼装を加工したものよ。貴方も訊いたことがあるでしょう?イエス・キリストという名を。彼の磔死体に包んだ布が聖骸布となったという逸話が、最も有名な事例とされているわ。同じ工程で造られたかどうかまではわからないけれど、これは間違いなく一級の魔術礼装よ」

「はぁ………。そう言われてもいまいちわかりません」

「そうね、その前にまず魔法と魔術の違いについて説明しましょう。魔術とは外の世界に於いて魔力を用いて人為的に神秘・奇跡を再現する術の総称≠ニして扱われているわ。その時代の文明で再現可能な奇跡かどうかで、外の世界にとっての魔法との線引きが成されているわ。河童の機械技術を知る貴方なら想像できるでしょうけれど、機械によって再現可能ならば魔術でも然りということよ」

「先程外の世界にとっての魔法、と申し上げていましたが、幻想郷との魔法とどう違うので?」

「外の魔法は、魔術とは違いどんな方法を用いても現代の文明では再現不可能な結果を生み出す現象≠ェそれらしいわ。具体的なことは不明だけど、八雲紫の持つ能力なんかは、間違いなく魔法と呼ばれるに相応しい現象ね」

「ああ、成る程。………それで、もしよろしければ幻想郷の魔法の定義についても―――」

「………なんかなし崩し的に取材っぽくなってるけど、まぁいいわ。私達魔法使いが用いる魔法とは、あるひとつの事象から派生した力の形よ。言ってしまえば、博霊の巫女が使う力だって、元は同じ所から生まれ出たものなのよ」

「え、そんな話訊いたことありませんでしたよ」

「幻想郷の住人は興味のない事象にはとことん執着しない。そんなことを知らなくたって能力は使えるんだから、当然よね。因みに魔法に関してだけど、形式的には魔術のそれと似ているわ。学問として成り立っているから、魔力運用の才があれば質の差こそあれ誰でも使うことができる。だけど、魔術とは比べものにならない程の可能性を孕んでいるわ。性能も段違い。もし対比するのであれば、外の魔法と魔術の間に位置するといっても良いでしょうね」

「………いや、わかりませんて」

「あらそう、ならそれでもいいわ。別に知らなくても話は出来るし」

しれっとそんなことを言い放つ。
ただ知識をひけらかしたかっただけなんじゃ、と思いつつも口には出さないでおく。

「話を戻すけど、イエス・キリストと言えば誰もが一
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