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ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第2部 風のアルビオン
第7章 亡国の王子
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た。

「ふむ、姫殿下とな。君は?」

「トリステイン王国魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵」

それからワルドは、ルイズたちをウェールズに紹介した。

「そしてこちらが姫殿下より大使の大任を仰せつかったラ・ヴァリエール嬢とその使い魔のウルキオラにございます。殿下」

「なるほど!君のように立派な貴族が、私の親衛隊にあと10人ばかり居たら、このような惨めな今日を迎えることもなかったろうに!して、その密書とやらは?」

ルイズが慌てて、胸のポケットからアンリエッタの手紙を取り出した。

恭しくウェールズに近づいたが、途中で立ち止まる。

ちょっと躊躇うように、口を開いた。

「あ、あの……」

「なんだね?」

「その、失礼ですが、本当に皇太子様?」

ウェールズは笑った。

「まあ、さっきまでの顔を見れば、無理もない。僕はウェールズだよ。正真正銘の皇太子さ。なんなら証拠をお見せしよう」

ウェールズは、ルイズの指に光る、水のルビーを見つめて言った。

自分の薬指に光る指輪を外すと、ルイズの手を取り、水のルビーに近づけた。

2つの宝石は、共鳴しあい、虹色の光を振りまいた。

「この指輪は、アルビオン王家に伝わる、風のルビーだ。君が嵌めているのは、アンリエッタが嵌めていた、水のルビーだ。そうだね?」

ルイズは頷いた。

「水と風は、虹を作る。王家の間にかかる虹さ」

「大変、失礼致しました」

ルイズは一礼して、手紙をウェールズに手渡す。

ウェールズは、愛おしそうにその手紙を見つめると、花押に接吻した。

それから、慎重に封を開き、中の便箋を取り出し、読み始めた。

真剣な顔で、手紙を読んでいたが、そのうちに顔を上げた。

「姫は結婚するのか?あの、愛らしいアンリエッタが。私の可愛い……、従妹は」

ワルドは無言で頭を下げ、肯定の意を表した。

再び、ウェールズは手紙に視線を落とす。

最後の1行まで読むと、微笑んだ。

「了解した。姫は、あの手紙を返して欲しいとこの私に告げている。何より大切な、姫から貰った手紙だが、姫の望みは私の望みだ。そのようにしよう」

ルイズの顔が輝いた。

「しかしながら、今、手元にはない。ニューカッスルの城にあるんだ。姫の手紙を空賊船に連れてくるわけにはいかぬのでね」

ウェールズは笑って言った。

「多少、面倒だが、ニューカッスルまで足労願いたい」
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