日常風景のパフォーマンス
第30話
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ャーが意地悪そうに笑っている。知ってたから立ち止まって僕らと話していたんだろう。するすると通路を抜けて横から階段の4段目に飛び上がる。
「それでは頑張りたまえ。プロフェッサーも皆を連れて登ってきているからな。私は少し準備があるのでな、失礼させてもらおう」
そのままアーチャーは階段を上って姿を消す。さて、僕達も追わないとね。アーチャーとミッテルトさんが通った道は異なる。二人の足跡が残されているのでそれを観察する。ミッテルトさんは休暇を得る為に多少無理に駆け抜けたのか、つま先、または踵部分しか踏んでいない部分がある。その周囲には魔法陣の一部があるのだろう。
アーチャーの通った経路は少し複雑だ。右に曲がったと思ったら一歩だけ進んでバックしたり、多少の跳躍も含まれる。だけど、しっかりと足下を踏んでも大丈夫なのだろう。しっかりと足跡を残してくれているからそれを辿れば問題無い。だけど、それで良いのだろうか?二人の足跡を見ると、もう一つ位ルートが隠されていそうだ。
そもそもプロフェッサーが全員を連れてきているのだから、普通に歩いて通れるルートが絶対に存在しているはずだ。ええっと、あそことあそこが魔法陣だから、構成を維持する為に補助をそこに書く必要があって、それからそこにも罠が有って、白音さんが踏んだ罠がそこだから、ミッテルトさんが踏みかけてるそれがこれと干渉してて、いや、そっちにも干渉してるのか。つまりこことそことそれで合同で一つの魔法陣と個々の魔法陣を描いているのか。その上で床の模様に見せかけているのか。
こうしてみると、かなり手間隙掛けて作られているんだね。大雑把に見えても細かい気配りと言うか管理と言うか、ミッテルトさんを見ているとよく分かる。ミッテルトさん本人は気付いていないのかもしれないだろうけど、僕達が分離出来る様になってから急激に力を付けている。もう中級どころか上級に指が引っかかっている位に力が付いているのに今まで以上に力を使い方が上手くなっている。魔法陣もかなりの数を書ける様になっているみたいだ。急激にそれだけの力を付けたのに本人に気付かせず、オーバーワークにもさせない細かい管理をプロフェッサーは行っているのだ。自分は色々とオーバーワーク気味に活動しているのにね。
さて、ルートは把握出来た。ここからは特に問題もないね。白音さんを横抱き、所謂お姫様抱っこをしたまま通路を歩く。残っているルートはそこそこ分かり難い上に危険そうな魔法陣のすぐ傍も通る。このままの方が進みやすい。白音さんも嫌がっていませんからこのままでいいでしょう。
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