日常風景のパフォーマンス
第30話
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「そう言えば、城の方はどうしたんだ」
「原形が残らなかった」
言われて砂の城の方に視線を向けると、そこには冬木のアインツベルン城かと思う程に増築された日本式の城がそびえ立っていた。魔法陣もかなりの数を仕込まれているのか工房の一歩手前まで行っている。地盤も強化されているのか崩せそうもない。
「少しは自重したまえ。何処の敵と戦うつもりだ」
「つい興が乗ってな。帰る時には崩すから心配するな。攻性結界も脅し様みたいな威力しかないからただのアスレチックだと思え」
見れば既に何人かが天守閣まで登ろうとして罠にかかって城の外に放り出されている。楽しそうにしているみたいだが、水着が脱げかかっているのも居るな。
「アレは不可抗力だ。どうしようもない」
「まあ、そうだな。それより、焼けたぞ」
「おいしそうっすね」
プロフェッサーとミッテルトが食べ始めたので私も食べさせてもらおう。
side out
side 木場祐斗
「危ない!!」
床の模様に巧妙に隠された魔法陣を踏んだ白音さんを抱えて横に飛ぶと同時に強力な斥力が発生する。グラビティコアを作り出して床に突き刺して踏ん張る。5秒程で斥力が止まるが油断は出来ない。他にも罠が連動している可能性がある。
プロフェッサーが改造した城を攻略し始めて既に1時間経っているが、未だに天守閣に辿り着く事が出来ない。この階層を昇れば天守閣なんだけど、プロフェッサーとアーチャーとミッテルトさん以外の全員で登っていたのに、既に僕と白音さん以外が一番下まで送り返されている。
「随分苦労しているようだな」
後ろを振り返るとアーチャーが立っていた。
「登るの早くない?」
「私は解析が使えるからな。罠や魔法陣の位置は分かっている」
なるほどと思う。アーチャーの使える数少ない魔術を使えば確かに簡単だろう。
「待つっすよ。ウチの休暇がかかってるんっすから!!」
下からの階段からミッテルトさんが飛び出してくる。階段の最上段で一度止まり、じっくりと床と壁を見つめ始める。
「休暇って?」
「私より先に天守閣に辿り着いたら一日だけ課題を無しにするそうだ。私は普通に歩くのが条件だ」
「よし、行けるっす!!」
ミッテルトさんが何かを避ける様にジグザグに走ったり、飛び込んだりして通路を抜けていく。
「やったっす、これでああああああああ〜〜〜〜〜〜!?」
通路の奥の階段に足を掛けた途端、下へと落ちていってしまった。
「くっくっく、実はあの階段、下から3段がフェイクで固定されていないのだよ。そして、その下には固定を解除する魔法陣が仕込まれている。今頃は下の階層の入り口だ。所謂初見殺しだ」
アーチ
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