瀧馬等の休日
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は少し考えてから口を開いた。
「特には……無いかな? それに対処してもらえるなら放っておいた方がいいと思うわよ? あの子人間には手を出さないし」
「でも、周りの被害を考えないし、何よりツインテールは俺自身の手で守りたいんだ!」
「……うん。言わんとする事は分かるけど、さ」
テイルレッドとしても譲れない物があるのだろう。でなければ、とっくの昔に出撃なんてやめている筈だからである。
彼女(彼というべきかもしれないが)の事が心配で着いてきているテイルブルーもまた、その思いを知る限りは出撃を止めないであろう。
「とりあえず、被害者達の容体を聞いて―――うわっ!?」
「ブルー!」
調子に乗ってピョンピョン跳び過ぎたせいか、テイルブルーはもう一度跳んだ際にジャンプ力の違いに一瞬戸惑い、つまずいて転んでしまった。
そしてその左腕は、グラトニーが探しているのであろう、属性玉にぶつかり……しまいこんでしまった。
「……あ……!?」
「あ」
「……むぅぅうぅぅう〜……」
「ご、ゴメン!? ゴメンてば!」
流石にタイガギルディの時の乱闘騒ぎを、この場で二回も起こす気は無いかグラトニーは頬を膨らませて唸るに止めているが、滲みでてくる尋常では無い怒気よ殺気の所為で全く微笑ましくは見えない。
テイルブルーも本人の過失だと承知しているか、ジェスチャーで謝り続けた。
呆れと畏怖がまぜこぜになった表情でそのやり取りを見ていたテイルレッドの背中へ、神堂が御礼の声を掛ける。
「また、助けていただきましたわね。本当に、ありがとうございますわ」
「いや、どちらかというと倒したのはグラトニーで……」
「それでも戦闘員から解放してくれたのはあなたでしょう?」
そう、グラトニーが戦っている後ろで、テイルレッドは戦闘員に捕まっていた人達を解放して回っていたのだ。
神堂の言葉に頷いたテイルレッドは、細かいところまで見てくれているんだと目を閉じ微笑んだ。
「また、来てくれますか?」
「はい、あなたがツインテールを愛するかぎり」
「ツインテールへの、愛……」
そこで神堂の表情が曇ったのを、どうやら落ち着いたらしいグラトニーは見逃さなかった。そんな彼女(此方も彼の方がいいかもしれないが)を見てラースは呟く。
『あの時と同じだァネ……まさカ、ツインテールが好きじゃあねぇノカ?』
「……さあ」
『イヤイヤ、聞いた訳じゃないッテ。そりゃ相棒はしらねぇだろウヨ』
とにかく貰うもんは貰ったからと、グラトニーは背を向けて上空へと勢い良く跳躍し、ショッピングモールの屋根の様な出っ張りの
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