第十幕その五
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「自覚していなかったわ」
「そうなのね、けれどね」
「今の私は笑顔なのね」
「とてもいいね」
「そうなの、笑顔なの」
「最初の貴女は寝てて」
そして起きればです。
「凄く不機嫌そうだったけれど」
「喧嘩して家出したから」
「そう、けれど今はね」
「幸せな笑顔なの」
「美味しいものを口にすると」
それで、というのです。
「誰でも笑顔になるから」
「私もなのね」
「そうなっているわ、じゃあね」
「それなら」
「これから群れに戻るけれど」
「仲直りも」
「明るい気持ちで行けるかしら」
ドロシーはヘラジカさんの目を見てです、そのうえで尋ねました。
「このまま」
「そうなれたらいいけれど」
「じゃあいいわね」
「ええ、そうね」
笑顔のままですが考えるものを含めてです、ヘラジカさんはその笑顔でドロシーに答えました。
「そうなる様にするわ」
「それじゃあね」
「では飲んで食べ終わったら」
それでと言う教授でした。
「いいね」
「群れに」
「そうしようね」
こうお話してでした、そのうえで。
まずは皆でお茶とお菓子を楽しんでなのでした。そのうえでテーブル掛けを畳んでなおしてです。それから。
再び先に進むとです、そこで。
森の中から沢山のヘラジカさん達が出て来ました、そのヘラジカさん達を見てなのでした。ヘラジカさんは少し立ち止まって言いました。
「来たわね」
「あのヘラジカさんがだよね」
「ええ、私の群れよ」
カルロスにも答えます。
「あの群れがね」
「着いたね、遂に」
「そうよね、ただ」
「ただっていうんだね」
「正念場ね」
足を止めたまま言うヘラジカさんでした。
「いよいよ」
「仲直りのね」
「そうなるわね」
「じゃあ」
「前に出て」
「まずは、よね」
「そうしてね」
こうしたことをです、カルロスとお話してでした。
ヘラジカさんは前に出ました、すると。
そのヘラジカさんをです、群れのヘラジカさん達が見て言いました。
「ええ、エイミー」
「エイミーか」
「何処に行ってたんだ?」
「家出するって言って飛び出したけれど」
「何処に行ってたのよ」
「ちょっとね」
こう群れのヘラジカさん達に言うのでした。
「草原のところまで」
「そうか、あそこか」
「あそこに行っていたのね」
「そうなの、けれどね」
それでもと言うエイミーでした。
「この人達に言われてね」
「あっ、これはドロシー王女」
「ムシノスケ教授」
「かかしさんに木樵さん」
「トトもいるじゃないか」
ヘラジカさん達は皆を見て言いました。
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