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東方大冒録
最後の希望・「超覚醒」。
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るんだろうが、それは無理だぜ」
「!? どういうこと!!?」
「どうやらさ、おれの霊力って、万物の感情によって力が増加するみたいでさ。特に今、咲夜が助けを願ったとき。何かが助けを求めたときに、この力は最大限発揮される。今お前がどんなに力を入れようが、今のおれの前には無力だ」
「そんな、そんなはずはない!! 私はレミリア・スカーレットの力を完全にコピーした!! とても強力な物!! だからただの人間の貴方に負けるはずが!!」

レミリアは必死になって叫ぶが、それは暗基の、

「お前、うぜぇ。見苦しい」
「!!」

それに一蹴されてしまった。レミリアの顔が絶望にゆがむ。

「さてと。『暗基零、十六夜咲夜は、ここで絶望を味わうこととなる!!』だったっけか? お前がおれたちに言った言葉は」
「ひっ!?」
「それを踏みにじられる気持ちはどうだ? 運命を操る程度の能力者、レミリア・スカーレットのマガイモノよ」
「い、いや……!!」
「そして、さっきまでよくもまぁおれたちの仲間をズタズタにしてくれたじゃねぇか? あぁ?」
「くっ……!!」

誰でも察することが出来る、これから先の運命を感じたレミリアは必死になって離れようともがいたが、やはりはがすことは出来ず。

「お前もマガイモノとはいえ、館を持つ主の立場なら、潔く腹をくくってこいつを食らえ」

そう言うと暗基は右手の大槍を手離す。するとその矛先がレミリアに向きながら、暗基の後ろへとバックしていく。そして暗基は、とどめの一撃を放つべく、スペルを口にする。

「すべてを葬る破壊神の大槍よ、敵の力を打ち砕き、今ここに裁きの鉄槌を下せ。滅槍『スピア・ザ・トリシューラ』!!!」

それは、一瞬でレミリアのマガイモノを貫き、塵にした。























すべてが無となった紅魔館の、地下の部屋。そこに1人、暗基零は立っていた。もうその身体には、先ほどのように霊力はまとわれてはいなかった。暗基は無表情のまま札を取り出し、目の前の塵を札の中に封印した。

「……、咲夜」

暗基は咲夜を抱きかかえる。その身体はまだ体温を持っていて、微かにではあるが胸も浮き沈みしている。どうやら気絶しているだけのようだ。レミリアのマガイモノが放ったスピア・ザ・グングニルの刺さっている部分、つまり他の皆の方を見ると、皆気絶していた。それを見てほっと一安心すると、もう一度咲夜のほうを向き、何か決心する顔をした。

「……、背に腹は変えられないか……。仕方ない」

そして、暗基は咲夜に口付けた。そしてそのまま気を失ってしまった。
























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