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無欠の刃
下忍編
宣戦布告
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はネジにとって得意分野である。遠距離ならば、それに類ずる策を考えねばならないが、近距離だけならば、その時でも十分に対処できる。
 敗北する可能性は低いだろうが、必ず勝てる可能性も低い。


 「それに何よりも」


 振り返って、まっすぐに見つめ返す。
 赤い瞳が瞬き、告げられる言葉に興味津々だというように開かれる。
 そんな様子に、少しだけ目を細めながらも、ネジは言った。



 「俺のライバルである、お前の弟だ」



 そう、カトナの双子の弟だ。
 彼女ほどチャクラコントロールが卓越しているとも、彼女のように身の丈を超えるほどの大太刀を使うわけでも、彼女みたいにさまざまな臨機応変の戦い方をするとは思えない。
 が、その体の中に流れる血は、確かに彼女と同じものだ。
 何よりも、自分と同じように彼女相手に、修行を積んでいる。彼女の闘い方は勉強できることが多い。相手も当然、彼女から学んでいると言っても過言ではない筈だ。

 「油断などしない」

 油断して負けるなどは、ネジのプライドに触るし、何より、自分のライバルである彼女に失礼だ。
 言い切ったネジにぱちぱちと瞬きを繰り返していたカトナは、そのあと、少しだけ嬉しそうな顔をして、ネジの背中を勢いよく叩く。
 ばちんっという音と中々の痛みに、ネジが思わず体を固まらせて、カトナに向かって振り返ろうとした時、カトナの聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声に、目を見開いた。

 「…あっさり、負けないで。私の、ライバル」

 その言葉に暫しの間絶句したあと、ネジは声も出さないままに、頷き返した。

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