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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
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にはその手紙の他に、白い結晶の剣と持ち手だけが残った木刀がまるで奉られているかのように置かれていた。
──乾衛司。
ルミナシアとジルディアの命運を掛けた最後の闘いで、文字通り命が保つ限り闘い、そしてその命を散らした、最後の決戦の一番の功労者とも言える存在。
『アドリビトムが世界を救った』という大きな真実が世界に広まった反面……『乾衛司が消滅した』という小さな真実が世界に広まることは無く……乾衛司が消滅した真実を知っているのは事実上、アドリビトムのメンバーだけとなってしまった。
そんなアドリビトムが行ったことが……彼がちゃんと此処にいて、共に闘っていてくれた証を残すように、この祠を作ったのだった。
『まるでお墓みたい』、と作った当初に誰かが言ったのを覚えているが……少なくとも、カノンノはそうは思わなかった。
「……約束……したからね……」
祠の前でそう、誰かに言うわけでもなく静かに言葉を出すカノンノ。
約束……それは『皆で笑って生きて帰ってくる』事。あの最後の時……カノンノは『嘘つき』と言ってしまったが、心の中では……また彼がいつか、ひょっこりと自分達の前に出てきてくれると信じていた。
いつも私達に見せてくれていた……あの笑顔で。
「っ……いけないいけない。……今日はこの後、世界を救って一年記念のパーティーがあるんだから……私が泣いちゃ駄目だよね……」
脳裏に思い出される衛司の笑顔を思い出し、自然と涙が零れそうになるが、カノンノはそれを慌てて手で拭き取ってそう言葉を出した。
カノンノはしばらく目を擦り、涙が止まった事が分かるとゆっくりと祠へと向き直った。
「衛司……今、アナタにこの世界が見えてるか……どう思っているかは分からないけど……いつかまたきっと……アナタと一緒に、アナタの隣でこの世界を見れるって……私、信じてるからね」
祠を真っ直ぐと見つめながらそう、カノンノは今はいない大切な彼へと言葉を出した。その言葉が果たして彼に届いたのかどうかは分かりはしないが……言ったカノンノ自身は満足したように小さく口元を緩めてゆっくりと祠に背を向けた。
「……また、来月に会いに来るよ」
背を向けたまま、祠にそうカノンノは言うとそのままゆっくりと停船してくれているであろうバンエルティア号に向けて歩き出した。
いつか、きっと……また会えると心の中で深く思いながら歩くカノンノ。
ふと……数歩歩いた時だった。
「……え……っ?」
不意に、後方から違和感を感じてカノンノは振り返ると……先程まで自分が見ていた祠から光が溢れ出していた。突然のその出来事にカノンノは驚いてしまうが、溢れ出していく光は徐々に徐々にと大きくなっていく。
そして……光は一層強くなったと分かった瞬間、その場はその光に包み込ま
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