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Act_0 《Hello World》
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使い方は、キリト自身よく分かっている
だが──彼の使い方は本来の使い方と大きく異なっている
鞘から行われる"抜刀"による一撃
刃に添えられる手
相手の鼻先へ突きつけるような、騎士本来の構えよりも腰を落とした刃を下へと向けた構えは──侍に近い

「なあ」

話しかけようと此方へと振り返ることは無いアキラへと、キリトは思った疑問をぶつける
この男は、この世界の大多数を占めるビギナーよりもゲームをよく"熟知"していた
それは──

「前にコボルトの群れだ」

その考えを振り払わせるように、アキラが冷ややかな声を発した
ハッと我に返ったキリトは、他人に必要以上に関与しようとしていた自分を叱責する
βテスターかどうか
それを此処で聞くのは、ルール違反だ

ブロンドの髪と、決して多くは無い口数
クールでドライな性格と合わさり、キリトが思い浮かべる傭兵にピッタリ合致する
"鼠"から紹介されたこの"アキラ"という男は、キリトの予想を上回る実力を持っていた
そして、恐ろしい程に"見る"男でもある
キリトのセットされた回復Pot残数0に対し、分かりきっていたように回復Potを投げる観察眼はキリトの背中に薄ら寒いものを走らせた
あの戦闘中でさえ、彼は敵とキリトの2つを見続けていたのだから

「迂回しよう」

《コボルト》の群れとの戦闘は、得策ではない
回復Potの数も有限だ、無駄な消費は避けられるのであれば避けたい

キリトは、踵を返そうとする
が、アキラはその場を動かなかった
何かを確かめるようにジッとコボルトの向けを見つめ──何かに気付いたように、腰に帯びた鞘へと手をかけた

「群れと戦っているバカがいる」

「は!?」と驚くキリトが振り返るよりも早く、アキラは群れの一部を切り払った

















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Act_0 《Hello World》


















視界が、霞む
目の前を覆っていた黒い揺らぎ──たぶん、化け物──が両断されたとき、アスナの今の集中力では何が起きているのか理解が追い付かなかった
アスナの前を覆っていた左右の《コボルト》の群れが、両断される
目に映る微かなノイズは、青と黒
青いノイズは、そのまま次の獲物を求めるように次の揺らぎへと斬りかかった
袈裟、逆袈裟、突き、払い
とにかく、敵陣のド真ん中で、周囲を《コボルト》に囲まれても尚、その動きを一切止めること無く敵を斬り続けていた

逆に、黒のノイズは此方を守るように立ち回っている
向かってくる敵だけを蹴散らし、時折此方を気遣うように意識を向けるのが分かった
アスナの意識が
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