第一章
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」
「どうされるおつもりですか?それでは」
「お話はこれまで」
貴婦人の言葉がぴしゃりとしたものになった。宴のその場は完全に二人のものだった。周りは二人を囲んでそのうえで遠巻きに見ている。
「それではです」
「はい、それでは」
「貴方がエヴァゼリン姫の名誉を守られるといいでしょう」
そうせよというのである。
「何なら私が相手を致しましょうか」
「御婦人を相手にせよと」
「何も剣や槍だけではありますまい」
貴婦人のペースだった。しかしイークリッドはそれでも引いてはいなかった。毅然として貴婦人に対して向かい合っているのであった。
「そうではないですか?」
「剣や槍だけではないと」
「音楽です」
それだというのである。
「音楽で名誉を守ることもできましょう」
「音楽を」
「そう、音楽です」
また言う貴婦人であった。
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