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ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十六話
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セモンの起源とは《変遷》である。そして変遷とは、『移り変わる』ことである。それは己も、世界も。

 ただ単に、強引に変化させるだけではいけないのだ。自然に――――変化を、促さなければいけない。

 だから願う。だから祈る。だから――――知らせる。陰斗(シャノン)に。親友に。もしかしたら、彼と同じことを考えているのかもしれない《主》に。

「『俺達は無限ではない。
  俺達は永遠ではない。
  俺達は完璧ではない。

  俺達は欠けている――――否、いなければならない。
  そこに『誰か』が埋まって、初めて『完成する』のだから。

  俺達は、一人では生きていけない。
  『セカイ』は――――みんながいないと、完成できない。

  故に作ろう。

  お前とも、手を取り合って。

  此処は、俺達の世界。
 
  世界は――――俺達のために在る。

     ――――《惟神》――――

《《セイヴァー・オブ・ゴッドフリード》》』」

 その名。

 かつてどこかの世界で、その世界を生み出した聖剣と、同じ名。

 その名。

 セモンの知らない、《神話剣》の最上位ソードスキルと、同じ名。


 セモンの手に握られた、《雪牙律双》が姿を変えていく。両剣から、形無き光の剣へと。そして再び、全く違うデザインの両剣へと。
 
「俺達は――――俺達は《停滞する》ために『変化する』んじゃない。《前に進む》ために『変化する』んだ!!」


 ――――Happy‐Birthday,MyWorld.


 ***



 その声は――――

 世界中に響いたという。

 あらゆるVRワールドに。

 現実世界に。

 《白亜宮》で戦っている人々の元に。

 現実世界へと帰還してしまった人々の元に。

 そしてもちろん、栗原小波の元にも。

「……清文……」

 弟のその声を聴いて。

 彼女の中で、何かが変わったという。

 そして目に涙を浮かべて――――《ボルボロ》初代局長は、それでも笑って、呟いた。

「姉ちゃんに、かっこいい所見せてくれ」
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