第五章 楽園
第15話 園神凜袮
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上条「士道……!全速力で、走れ……っ!!」
士道「何言ってんだ!今俺は囲まれてるんだぞ!」
上条「大丈夫だ……っ!俺を、信じろ………!!」
士道「上条……分かった!」
士道はまた駆け出した。
ムチはその士道を通さないようにこちらに攻撃しようとした。
その時、
上条「炎の吐息《ファイヤーブレス》!」
その刹那、
士道の周りのムチが焼け付くされた。
士道「(熱っ!!何だこれ!?)」
でも障害はなくなった。
疑問は残ったが今は行くしかない。
士道「上条!サンキュー!」
あと少しで凜袮の元へと着く。残ってる力を振り絞って彼は走り出した。
凜袮を助けるために。
ーーーー
ーーー
ーー
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上条「……ちょいと、力を……使いすぎ、ちまっ……たか……」
焼け野原となった中心では上条が血まみれで倒れていた。
それこそ、土御門が魔術を使った時のように。
上条「初めて、やってみたけど……案外……うまく、いったな……」
炎の吐息《ファイヤーブレス》
自ら作り出した炎の球体を分散し、空気中に漂わせて、広範囲に……そして敵を確実に仕留める技。
それを使い、士道の周りにいたムチ″だけ″を集中的に高温にさせて燃やし尽くす。
もちろん、その中心にいた士道にも多少の二次被害が起こったが、まあ大丈夫だろう。
上条「そういや、士道言ってたな……。何で……凜袮とつるんで、いたかって……」
士道の質問を、彼に聞こえないように、そっと呟いた。
上条「何言ってんだか……全部、お前のためなんだぜ……?士道……」
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士道「くっそ………!!」
奥には、まだムチがいた。
士道「あと………ちょっと、なのに……」
あと数メートル。
だけど、
この数メートルがとても遠く感じた。
士道「(ダメだ……意識が……)」
視界がどんどん薄れていき、士道は気を失った。
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ー
士道「ん……?」
士道が目を覚ますとそこはーー
自分の部屋の天井だった。
?「やっと起きたんだね、士道」
そこにいたのはーー
士道「凜袮……」
凜袮「ふふ……おはよう、士道」
士道「おはよう。どうしたんだ?こんな早くに……」
凜袮「もう、忘れちゃったの?今日の大事な約束」
士道「え!
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