例外
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たのだがまさかここで暴走するとは思いもしなかった。
桜がそんなぁ…と言って項垂れる。
「ところで、セイバーは元気になったんだな」
「はい、今までに蓄積されていたダメージや疲労は回復しました」
それを聞いて少し安心した。しかし桜は、ですが、と言葉を紡いだ。
「私が行ったのはあくまで応急処置の段階でセイバーさんの傷は完璧に癒えた訳ではありません。戦闘次第ではすぐに傷が開くかもしれないので注意してください。また、魔力の方も多少は回復したんですがまたいつ倒れるかも分からない状態なのでセイバーさんから目を離さないでください」
俺は元気に飯を食べるセイバーを見た。あんなに元気そうなのに傷が治ってないのか…。そこで、ようやく俺なりの回答が纏まってきた。
「分かった。色々とありがとな桜」
「いえ、私の方こそこのぐらいのことしかできなくてすみません。私、いつもここにいるので何かあったら来てください」
「分かった」
俺は桜にそう言った後に視線をセイバーへと向けた。セイバーはまだ弁当を食べるのに集中しているようで気付いている様子はない。いや、もしかしたら気付いているのに飯を食べているのかもしれない。
しかしそんなことはどうでも良い。俺は言いたいことを言うべく、セイバーの元へと近づく。彼女は未だに食事を続けていた。
まだこの聖杯戦争は始まったばかりだ。このままうだうだして敗退するなんて嫌だ。それにセイバーだって一緒の気持ちのはずだ。ただ怪我をしたくらいでまともに戦う事もできず一回戦敗退なんてこと彼女のプライドが許さないだろう。
だから、これは俺のケジメでもある。
「勝とうセイバー。俺はまだ諦めたくない」
すると、セイバーは手を止めた。ゆっくりと弁当から俺へと視線を向けた。その眼は真剣そのもの。
「理解するのが遅すぎだマスター」
「………ごめん」
真剣な表情で彼女は俺を見つめると、溜め息を吐いた。俺はまたセイバーを失望させるたのかどうかでビクビクした。
「なんと言うかアレだな。こう……強いのか弱いのかよく分からないな、お前」
「……」
それについては何にも答えようがない。そういうのは他者が決めるのであって俺が決めるんじゃないのだから。
「それにしても、よく言ったものだ。俺の前でそう強気に言うのだから、それなりの覚悟をお前は見せることができるのだろうな?」
セイバーが見せた俺に向けた最後の敵意だった。それには俺も身じろぎたくなったがここは必死に耐えてこう返事をした。
「ああ!」
俺の答えを聞くと、セイバーから敵意が消えた。そしてそれと同時に呆れた笑みを浮かべていた。
「まったく……仕方ないマスターだ」
そして、今度
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