第九楽章 実らぬ恋の必勝法
9-2小節
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
」と二人してバッサリ一蹴されました。くすん。
〜♪ 〜♪ 〜♪
「もしもし〜――」
『うわ、どうしたんだよ! すっげえ元気ない声!』
「ストレス発散のチャンスが長引いて滅入ってるだけです」
ルドガーから、つまり部下からの電話。しゃっきりしなさい、わたくし。
「それで。ユリウス前室長とはコンタクトできました? 首尾は?」
『その……分史世界で、はぐれた』
故意に逃がしたわけではないなら百歩譲って大目に見ましょう。
「《道標》は? ちゃんと回収してきました?」
『した。《海瀑幻魔の眼》だろ? ちゃんと持って帰った。そっちに戻ったら現物提出しマス』
ユリウス前室長のことは残念ですが、《道標》が回収できたなら、わたくしに責める理由などありません。それを成し遂げるためだけに、どれだけのご先祖様が苦しんで悩んで傷ついたか、わたくしの頭には全て刻まれていますもの。
「おめでとう。こんなにいいペースで《道標》が集まるなんて今までの歴史でなかったわ。ありがとう。本当に、ありがとう」
貴方はわたくしたちの最大の希望なのかもしれませんね。ルドガー・ウィル・クルスニク。
『俺のほうこそ。前に教えてもらったことがあったから、ちゃんと戦えた。ありがとう――ござい、ます、先輩』
「いいえ。ではイラート海停で帰投を待ちます。任務ご苦労でした、ルドガー」
電話を切る。
ああ、本当に、今日は何て善き日でしょう。
これだから、人生というものは素晴らしい。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ