第九楽章 実らぬ恋の必勝法
9-1小節
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ントというものに興味がある」
「好奇心旺盛な王様だ」
「意外とな」
「こ、このパーティは……」
イバルの肩を軽く叩いてあげた。気持ちは分かりますわ。お互い頑張りましょうね。
いざ解散となって、わたくしはルドガーを呼び止めた。
「今回わたくしは同伴できません。現場での判断を貴方に委ねることになります。ですからもし自分の手で対処できないと判断したなら、わたくしかリドウ室長に連絡を入れてください」
「俺、そんなに信用ない?」
「いいえ。貴方の決断力にはこれでも一目置いてますのよ。だからこそ、貴方がご友人のために自身を傷つける決断をしそうで不安だから、こうして言ってるの」
「あ……そ、か。ありがと」
ルドガーはわたくしが言い含めたことを納得して、ハ・ミルに向かうグループを追いかけて行った。
「ジゼル! さっさと来い」
「はい、室長。すぐに」
埠頭に戻って行く先生方。いけないいけない。わたくしもお仕事しなくちゃ。
海路を探ると言っても、船に乗るわけじゃありません。船便から降りるお客様にユリウスせんぱいが紛れていないかチェックするのです。
「な、なあ。ちょっといいか?」
「はい?」
「い…よ、よろしいでありますか、補佐」
ちょっと笑顔で凄んだだけですのに。さっきの《レコードホルダー》の時といい、イバルってば高圧的な女性に弱いのかしら。
「冗談ですよ。ルドガーも敬語を使いませんし。それで、何か用事ですか」
「ええっと…その、さっきのあれが、《クルスニク・レコード》ってやつか?」
……リドウ先生、イバルにバラしましたわね。わたくしの《呪い》のこと。
まあ、知られてしまったものは仕方ありません。
「そうですよ。さっきイバルを撲ったのは一族中、最古のお人です。ミス・ミラとお慕いしていた女性を勘違いしてらっしゃるようですわ。無理もありません。《レコード》にあった女性の容姿はミス・ミラそのものでした」
容姿が同じ。まさにそれが原因で大ポカをかましたイバルは、バツが悪そうです。
「加えて貴方も、その方の許婚の男性そっくりでした。だからよけいにお怒りになったんですわ」
「い、許婚ぇ!?」
「はい。つまりその方にとっては、夫が母に暴言を吐いたも同然の光景だったわけです。怒鳴りたくもなりますわよね」
イバルは真っ赤になって鯉みたいに口をぱくぱくさせています。初心ですわねえ。
「そ、そんにゃものっ」
噛みましたね。元気な子。
「そんなもの俺には関係ない!」
あ。言い直した。
「ええ、関係ありません。この方が面影を求めた男性は、貴方とは全くの別物ですわ。筋違いもいいところ。人の頭に割り込んでま
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