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101番目の舶ィ語
第七話。ロア
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に居たら精神ダメージ半端ねえぞ。

「止めろ??もう、止めてくれー」

止めてやれ。
一文字のライフはもう0だ。
それ以上抉らないでやってくれ。

「なんかこう、もっと正々堂々出来ないもんですかね?男らしく」

だが、一之江の毒舌は止まらなかった。

「何でお前がそこまで言うんだ??」

「あなた、キモくてよ」

「優しい奥様みたいな口調で毒吐くなよ!」

思わず連続ツッコミを入れてしまった。
これが素の一之江なのか。
フランクだが、清楚で可憐、病弱なイメージは一瞬で消え去り、食えなくて面白いヤツ、という認識になった。

「まあ、とっとと話して、とっとと下ろして放置しますか」

「放置しますか、じゃねえ??
すんなー、もっと大切に扱え!」

「私は色男がびーびー泣く姿も見てみたいのです」

「うわっ、ドSなのか一之江」

「ドSな人は優しいんですよ。相手の喜ぶ事をしてあげる達人ですからね」

「それ、ドMな人にとっては、だろ?」

「皆さん喜んでくれますって」

「その自信はどっから出てくるんだ??」

一之江とここまで話して解った事だが、彼女はかなりの自信家だ。
完全に俺に嫌われても気にしないかのように、自分を通し続ける。
その姿勢に、俺は好意みたいなものを抱いた。

「モンジが余計な事を言いまくるせいで話が進みませんね」

「モンジって言うな??しかも脱線させてるのお前だろ!」

「はいはい」

「流しやがった??」

脱線させたのは一之江なのに、あたかも『貴方のせいで話が逸れた』みたいな感じになってるが、さっきから会話が進まないのは一之江が原因だ。
この理不尽さ。
何処ぞの、桃まん武偵を彷彿とさせる。
こう言ったタイプには逆らっても無駄だ。
なのでさっさと話しを進めて、とっとと帰ろう。
そう思案していると______

「まあ、そんなモンジの為に簡単に色々お話しするとしましょうか」

コーヒーを一口、口に含んでから、ようやく話す気になったらしく、姿勢を正す一之江。
俺もコーヒーを口に含み、その話しを聞く為に体を一之江に向けた。

「都市伝説については、もう色々とご存知だと思います」

「まあ、それなりに。昨夜も経験したばかりだしな」

リアル『メリーさん人形』に追いかけられる、なんて経験、普通はない。
そうでなくても昨日辺りからキリカやアランとその話題で盛り上がったから都市伝説の概要については大体解る。

「それら都市伝説が実体化したものを、我々は『ロア』と呼んでいます。 フォークロアなどの語源に使われている、『ロア』の部分です。伝承とか知識とか、概ねそんな意味のある言葉です」

「『ロア』……昨日の夜も言って
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