プロローグ2
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―は、真名とエヴァンジェリンだった。普段クールな二人が思わず感情を露わにする。それほど嫌だったのだろう。
「大金星じゃあないか。じじい、よくやった」
「とも言ってられんがのう……。その条件は気前よく認められたが、別の面ではこちらが大幅に譲歩する形になったわい。向こうがこちらの条件を認めた手前、こっちが嫌だとは言えなかったわ」
「そんなもん私に関係あるか! ふはははははは!」
と、やっといつもの調子(と言っていいのかどうかは分からないが)に戻ったエヴァンジェリン。お通夜のようだった雰囲気が嘘のようだ。
「言っておれ。代わりに、2Aには「セイバー」を受け入れざるを得なかったんじゃ」
「ほう、衛宮士郎の『剣』がか。ふふ、それくらい構わん。魔術師でさえ無ければ、やりようなどいくらでもある」
「私は正直、そちらも勘弁して欲しいのだがな……」
この時点で、魔術師の事情に詳しくない刹那は全くついて行けない。それは隣の刀子も同じようなもので、とりあえず黙って聞いていた。
せいぜい、エヴァンジェリンが大丈夫だと言ってるから、大丈夫だろう。その程度に考えるのが限界だ。
「最後に、タカミチ君。君にはもしもの時の押さえになってもらう。こればかりは代用が効かん。一番つらい役回りじゃが、よろしく頼むぞ」
「ええ……分かっています」
頷くタカミチの背中には、悲壮感すらあり。
真剣にすぎる雰囲気に押されながらも、刹那は考えた。皆が皆、事態を重苦しく考えすぎではないのかと。これは、魔術師がどういう生き物かを知っていれば至極正しい反応であり。口に出せば、楽観的すぎると叱責されてもおかしくない内容なのだが。
この時は、彼女の考えが一番正しいなどと、誰も分からなかった。
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