課題
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「────よーし、今日は練習終わりだ!」
円堂の声が疲れた俺達の頭に響く。
日が暮れてきて夕日も隠れようとしている時間帯だ。
今日の練習でイナズマ落としの実行メンバーが選ばれた。
豪炎寺と壁山の二人だ。
豪炎寺の予想だと、イナズマ落としは
二人で同時に飛び一人が土台になってもう一人が
土台を踏み台にして更に飛び上がり
ジャンプの最高到達点でオーバーヘッドキックらしい。
それを聞いた俺と円堂は納得して
豪炎寺の発想の完璧さに感動した。
俺は学校での点数は良くない。
学年の成績順位は二位だ。
………勿論下からだが。
一番下は誰だって?そこのサッカーバカに聞いてくれ。
「ちょっといいか雷藤」
豪炎寺が不意に俺に話し掛けた。
「どうした?豪炎寺」
俺が言葉を返す。
「ちょっとイナズマ落としの練習に付き合ってくれないか?」
と少し遠慮がちに聞いてくる。
「俺が断ると思うか?練習付き合ってやるよ」
と俺がOKを出す。
「すまない、助かる」
と俺に少し微笑み俺達は鉄塔広場に向かった。
「鉄塔広場に来たのは良いけど、どうするんだ?」
と俺が豪炎寺に話す。
「こういうことだ」
と話し鉄塔の横にぶら下がっている木の棒に指を指した。
「ああ、なるほどな」
この木の棒を見ただけで解ったのには理由がある。
それは今日の練習での事だ。
───今日の練習
「よーし、それじゃ一回やってみてくれ!」
円堂が豪炎寺と壁山に呼び掛ける。
今からイナズマ落としの練習をやってみるようだ。
「行くぞ壁山!」
と豪炎寺が壁山に言う。
「は、はいっス!」と返事を返し
同時にジャンプをする、豪炎寺が壁山を踏み台にしようとした瞬間
壁山が下を向き、急に真っ青になって
「こ、怖いっス!!」と叫んでうずくまった。
豪炎寺は踏み台を失い、変な体制で着地したが怪我はないようだ。
「壁山どうしたんだ?」
と俺が壁山に聞く。
「俺高いとこ苦手なんっス!」
壁山はガタガタ震えながら話した。
「下を見ずに豪炎寺だけを見てたら怖くはないさ!」
円堂がそう話し掛けて壁山と豪炎寺は再チャレンジを行った。
がやはり失敗に終わった。
「豪炎寺さんだけを見ようと思っても、つい下を向いてしまって…」
と壁山が話す。
「うーん、壁山以外の奴で土台になれる奴が居ないからな…壁山にはどうにか高いとこを克服して貰わないと…」
と課題を残したまま練習を終えたのだった。
「つまりは足場の悪いところでもジャンプが出来るようにする練習って訳だな」
と俺が話すと豪炎寺は頷いた。
「ああ俺が上手く飛
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