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執筆手記
没ネタその2 良くある異世界モノ
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きるな、中型犬って結構飯食うぞ?


 俺の疑問に答えるかのように――――イソギンチャクもどきと目が合った…………様な気がした。


 ――――ビチビチビチッッ!!


 イソギンチャクの触手がヤバそうな液体を撒き散らしながら長く伸び始めた。


 ――――うわ。


 俺は咄嗟に砂に混ざった石を拾い上げ、迷わず投擲した。


 ――――ベチッ!


 イソギンチャクもどきの身体に石がメリ込み、中の水分が溢れ出してくる。

 それでもピクピク動く触手が俺に向かってくる、鬱陶しいので次々と石を拾い上げて投擲を続けた。

 暫くすると動かなくなったので、少し離れた所に転がっていた流木を拾い上げ、スイカ割り大会に移行する。

 ホラー映画なら、弱っていると見せかけて、近付いた瞬間にがぶりと殺られるところだが、

 俺にはアレが弱っていて、確実に死に掛けていると言う確信がある。

 流木で動かなくなった触手を叩き付けると、簡単に千切れた――――こんな脆い触手で獲物を捕らえるのは難しいだろう。

 液体の方に蛇とかの神経毒を疑った方が良いかもしれない。


 完全に反応しなくなったイソギンチャクの内臓を調べる事にした。

 とは言っても、俺に解剖する技術もないし、流木で突いてグチャグチャにするだけだ。

 最初に目に付いたのが、砂袋だった、これはイソギンチャクもどきだから口と胃と腸を兼ねた物だろうか?

 暫くすると森の方からガサガサと草を掻き分けて、大型犬が飛び出してきた。


 ――――シベリアンハスキー? いや、狼か?


 流木を構えて、イソギンチャクの死骸と狼から距離を取る、死骸を踏み付けてバランスを崩す訳には行かない。

 狼はイソギンチャクの死骸に頭を突っ込み、貪り始めた――――美味いのかソレ?

 尻尾をパタパタさせながら、ガツガツとお食事中の狼を眺めながら、俺はひとつの希望を抱いていた。


 野生の動物は腹が減らないと他の動物を悪戯に襲わないと言う。

 では、もう一匹、二匹、イソギンチャクをぶちのめしてコイツに食わせれば、俺は襲われないのではないだろうか?

 よし、コイツが満腹になるまでイソギンチャクを狩る事にしよう。




 ――――――――――――没ネタ此処まで。
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