文化系もしくは帰宅部が1番戸惑うもの、それは体育会系のテンション
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
置する呪文の1つ。使える者は世界に数名で、その中に彼女の名はない。
すわ新しい空間魔法使いの誕生か!? と浮き足立つ人々を落ち着けたのは、司会者の隣に座る解説者の言葉だった。
『まぁ、確かに瞬間移動には違いないですが、魔法ではないですね。アレを見てください。』
『ん? おぉっ、彼女の隣に例の精霊があぁぁぁぁぁぁ!!!!』
司会者の言葉のとおり、いつの間にか彼女の傍には彼女の精霊、「ザ・ハンド」の姿があった。
それを見て落ち着いたスミスの口から、大会開催後初めての声が漏れる。
「・・・・・『ザ・ハンド』、空間を削り瞬間移動する能力を持つ・・・・。」
「へ〜、よく知ってるじゃないか。 だけど、もうアンタに勝ち目はないよ。」
己の能力を看破されても笑みを崩さないビリオン。
と、次の瞬間。
「破砕掌底!!」
バッゴォォォォォ・・・・ン
「ッ!?」
『な、なんとおぉぉ!! ビリオン選手、拳を武舞台に叩きつけて破壊したあぁぁぁぁぁ!!!? 一体何が目的なのかぁぁぁぁぁ!!!!』
轟音と共に武舞台が崩壊し、バランスを崩されるスミス。
その隙を見逃さず、自身はバランスを崩さなかったビリオンは「ザ・ハンド」の瞬間移動を利用し一気に接近する。
「どうだ! 地面がボコボコでマトモに動けねぇだろ!! アタシは精霊があるから関係ないね!」
「・・・・・・・・。」
「チッ、黙りかい!! まぁいいさ、これで終わりィ!!」
一気にスミスの眼前まで近寄ったビリオンが掌底を繰り出す。巨大な武舞台を破壊した一撃を。
「コレで鎧ごと砕けな!!! 破砕掌底!!!!!」
「・・・・・・――――。」
スミスが何かを呟いた。
その声は小さく、ビリオンにすらマトモに聞こえず、それ以外の者が呟いたということすら分からなかった。
だが、そんな事はどうでも良かった。
一瞬の後には、ビリオンの掌底がスミスを吹き飛ばすと誰もが疑わなかった。
だが・・・・・。
「・・・・・・・。」
「何っ!!?」
スミスが、不安定な足場とも思えぬほどの速度で移動し、掌底を躱してビリオンと位置を入れ替えた。
そして、
ザンッ
「ッ、ガフッ・・・・・・!!」
一陣の風のような斬撃により、首を斬られたビリオンはそのまま倒れた。
致死のダメージを負った者を重症まで引き戻し、医療室へと転移させるコロッセオの魔法の青い光が彼女を包み、「消撃乙女」は消えた。
『・・・・・・あっ! しょ、勝者はボブ・スミス!! 「不明騎士」のボブ・スミスでぇぇぇぇぇぇす!!!!! 一体あの状況からどうやって逆転できたのか、全くもって不思議な試合でしたあぁぁぁぁ!!!!』
司会者の言葉を聞き、驚愕の叫びに包まれるコロッセオを眺めながら、勝者のスミスは悠々
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ