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オズのムシノスケ
第九幕その十

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「何で謝らないといけないのよ」
「そう言ってずっと一匹でいるつもり?」
「お父さんとお母さんが謝るまでね」
 それまでというのです。
「私絶対に謝らないから」
「そんなこと言ってると本当に何時か大変なことになるわよ」
「獣に襲われて?」
「カリダとかに襲われたらどうするの?」
 あのオズの国にいるとても怖い獣です。
「貴女逃げるのよね」
「そうするわ、私脚速いから」
「そうよね、けれど一匹でいたら限度があるから」
「群れに戻った方がいいっていうのね」
「そう、絶対にね」
 ドロシーはきっぱりと言い切りました。
「戻った方がいいわ」
「どうしても」
「何度も言うわよ」
 絶対にというのです。
「わかったわね」
「ううん、それじゃあね」
 少し考えてからです、ヘラジカさんはドロシーに答えました。
「食べてから考えるわ」
「その牧草をなのね」
「そう、全部ね」
 食べてからだというのです。
「だって私お腹空いてたから」
「だからなの」
「そう、それからね」
 こうドロシーに答えるのでした。
「考えるわ」
「そうするのね」
「それからでいいわよね」
「ええ、別にね」
 いいと返すドロシーでした。
「それでいいわよ」
「それじゃあね」
「けれどね」
「群れにはっていうのね」
「そう、帰るべきよ」
「厳しいわね、貴女って」
「厳しくてもね」
 それでもだというのです。
「それがいいから」
「だからなのね」
「そう、戻ってね」
 そしてと、ドロシーは今も言うのでした。
「皆と暮らしさない」
「それじゃあ」
「そう、それじゃあよ」
「食べてからね」
「食べてからよ」
 また言うのでした。
「考えなさいね」
「そうするわね、それとだけれど」
「どうしたの?今度は」
「貴女確か」
 そのドロシーを見て言うヘラジカさんでした。
「ドロシー王女よね」
「ええ、そうだけれど」
「噂には聞いてたわ、オズの国の王女様でオズマ姫のお友達で」
「私のこと知ってるのね」
「貴女は有名だからね。それにね」
 ドロシー以外の皆も見て言うのでした。
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