DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十五話
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んでいるが、それでも驚異的な集中力で、彼は《自我の太陽》の攻撃を避け続ける。
刹那の場合は本来の活動場所である《白亜宮》へ帰還したことで、底上げされた機動力が、逆に役に立っていた。まぁ、それも《主》が仕組んだのかもしれないが――――とにかく、刹那に関してはハザード以上に安定して攻撃を回避できていた。
此処で問題となるのがセモンだ。
セモンはSAO時代のステータスとしては筋力と敏捷をほぼ5:5よりの6:4で上げていたし、《六門世界》でも比較的パワータイプのスタイルを取っている。
何か特殊な機動力向上のオプションも持っていないし、底上げがされているわけでもない。
そんな中にあって、セモンが生き残っていられる理由――――それは、皮肉にも《主》がずっと覚醒を待っていた(と思われる)、セモンの《異能》だった。
『不可能を可能にする』。異能の効果を端的に言い表すならば、その一言に尽きる。
セモンに与えられた異能は、自身の《本質》である、《変遷》の上位互換。『氷』という存在を『炎』という存在へと変化させたように、『不可能である』という事実を『可能である』という結果に変遷させる。
結果として――――セモンは、『《自我の太陽》の攻撃を避けられない』という『不可能』を、『《自我の太陽》の攻撃を避けられる』という『可能』に書き替えることで生き残っているのだった。
だが、問題もある。
「――――セァァッ!!」
《冥刀・雪牙律双》の刀身がまばゆいオレンジ色に輝き、十一連撃の刃の嵐が巻き起こる。《神話剣》上位剣技、《アラブル・ストリーム》。
かの浮遊城では、上位モンスターの大群を一瞬にして殲滅しうる威力を誇ったそれも――――しかし、この場では《自我の太陽》の肌に傷一つ付けられない。
《この攻撃は効く》という祈りが、《絶対に効果がない》という圧倒的な《現実》に押しつぶされて、一切効果を発揮していないのだ。
それだけではない。つい先ほど分かったことなのだが、セモンの『可能変遷』は、『自分を対象とした現象』を『書き換える』ことしかできないのだ。
つまり、『攻撃が効かない』という『不可能』を、『攻撃が効く』という『可能』にすることは、セモンの能力では不可能なのである。
「お兄様、どうか……どうか目をお覚まし下さい!!」
ほとんど泣き叫んでいるに等しい剣幕で、刹那が鎌――――《ラティカペインR2》を振り回す。彼女はセモンやハザードなどよりもずっと《心意》の使い方がうまい。だがそれでも、《自我の太陽》には傷がつけられないのだ。
どれだけ、どれだけ、刹那が鎌を振るっても。
その刃にも哀しみが渦巻いていても。
《自我の太陽》――――シャノンが、い
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