暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン コネクト
Act_2 《オレンジ》
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き
かったのに

「──噂は聞いている、アスナ」

「え?」

「強くなったんだな」

アスナの心を、男が知る術はない
だが──かけて貰いたい言葉は、何となくだが分かる
血盟騎士団に入る前からの長い付き合いだからだ
彼女がどのような事を考えて、何故この場所に居るのか、凡その検討も付いている
欲している言葉も、おぼろげだが、分かった
だから男は、躊躇う事なく、その言葉を発した

自分の後を継いでくれたまだ未熟な──強くなる余地を大きく残した少女
《閃光》と呼ばれ、気付けば自分とは真逆の道を歩んでいた少女
少女──いや、《閃光のアスナ》

アスナは、今にも瞳から涙が決壊しそうな程に目を潤ませている
相変わらず──涙脆いやつだ

男はもう一度溜息を吐き、アスナの頭に手を置く
血盟騎士団に所属していた頃──彼女が何かをするたびに、彼はこうして彼女を励ました
今では、懐かしい思い出だ

「ず、ずるいです、副団長」

拗ねたように、何処か懐かしむように、アスナがまたもや頬を膨らませる
先ほどまで、瞳いっぱいに溜められていた涙は何処かへ去って行ったようだ

よかった、と少しだけ胸を撫で下ろして──男はアスナの言葉に一言だけ付け足した



「もう副団長じゃない
 
 ──《アキラ》と呼べ、アスナ」


[8]前話 [9] 最初 [1]後書き


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ