第1章
旧校舎のディアボロス
第3話 俺、人間やめました!
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リッド・ギア》を持つこの子が欲しいと思ったからよ」
なるほど、ちゃんとこのヒトなりのメリットはあるわけか。
「理由はどうあれ、イッセーを助けてくることには感謝します。ですが──」
「わかっているわ。あなたが考えているようなことはしないから」
「それでも──」
俺はグレモリー先輩を真っ直ぐ見据えながら告げる。
「──仮にそのようなことをするようなら・・・・・・何があろうとも、あなたからイッセーを引き離す!」
グレモリー先輩は目を細めて言う。
「・・・・・・それは、悪魔全体を敵にまわすかもしれないのよ?」
俺はそれに一切怯むことなく言う。
「・・・・・・覚悟がなければ──魔王の妹であるあなたにこんな啖呵きりませんよ」
それを聞いて、グレモリー先輩は笑い出す。
「ウフフ。あなた、おもしろいわね! いいわ。約束する。絶対にこの子のことは悪いようにはしないわ」
グレモリー先輩も真っ直ぐ俺を見据えながら言う。
その言葉に嘘がないことを察した俺は頭を下げる。
「すみませんでした」
「いいわ。じゃ、そろそろ彼を生き返らせましょうか」
そう言い、グレモリー先輩は紅色をしたチェスの駒を取り出す。このチェスの駒が『悪魔の駒』だ。チェスを模して、『王』』以外の駒と同じ数──『女王』が一個、『騎士』が二個、『戦車』が二個、『僧侶』が二個、『兵士』が八個の計十五個がある。グレモリー先輩が取り出したのは『兵士』の駒八個だった。
「八個すべてですか?」
「ええ。こうしないと、この子を転生できないの。それだけ、この子に宿っているものが規格外ということよ」
グレモリー先輩は『兵士』の駒をイッセーの胸の上にすべて置く。
「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、兵藤一誠よ。いま再びこの地に魂を帰還せしめ、我が下僕悪魔と成れ。汝、我が『兵士』として、新たな生に歓喜せよ!」
『兵士』の駒が紅い光を発し、ひとつずつイッセーの胸に沈んでいく。
すべての駒が沈み、イッセーの腹の傷が塞がり──イッセーが息を吹き返した!
「ふぅ。これでもう大丈夫よ」
「ありがとうございます」
「あとはこの子を家へ帰すだけね」
「それは俺がやります」
「お願いするわ。それから、今日のことや悪魔のことは伏せておいてくれるかしら」
「──自力で自分の身の変化に気づかせるためですか?」
「ええ」
確かに、自力で気づいていったほうが、自分の身に起こった変化も受け入れやすくなるか。
「頃合を見て真相を話すから、そ
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