第1章
旧校舎のディアボロス
第1話 士騎明日夏
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俺の名前は士騎明日夏。駒王学園に通う高校二年だ。
部活に所属しているわけでもなく、することもないので帰ろうとしたところ、学園の坂になってる芝生に横ならびで寝転ぶ三人の男子を見つけた。
真ん中の茶髪の男子の名は兵藤一誠。同じく高校二年で、俺の幼少の頃からの幼馴染みであり、親友だ。周りからはイッセーと呼ばれている。
イッセーの両隣にいる坊主頭の男子と眼鏡をかけた男子も高校二年で、名前は坊主頭が松田、眼鏡をかけたのが元浜。中学からの悪友だな。
そんな三人を下から見上げていると、三人の会話が聞こえてきたのだが──。
「──あぁ、おっぱい揉みてー・・・・・・」
「兵藤一誠くんに同意ィィッ!」
「言うな・・・・・・空しくなる」
なんとも言えない会話をしていた。
「──松田。元浜。どうして俺たちはこの学校に入学した?」
「我が私立駒王学園は、女子校から共学になって間もない。よって、圧倒的に女子が多く、海外からの留学生も多数!」
「そのため、男子は希少。すなわち、黙っていてもモテモテ! まさに入れ食いっ!」
「これ、すなわち、ハーレム!」
「おうよ! 俺たちに待ってるのは、おっぱい溢れるリア充ライフ!」
「──の予定が、彼女一人できないまま、入学二年目の春を迎えちまったわけだ・・・・・・」
「・・・・・・言うな・・・・・・空しくなる・・・・・・」
・・・・・・三人の会話内容に内心で嘆息しながら、俺は三人に話しかける。
「何やってんだか。おまえらは」
「「「あっ、明日夏」」」
「あっ、じゃねぇよ。なにバカみてぇな会話してんだよ・・・・・・」
「女子に人気のあるおまえには関係のないことだ! 失せろ!」
「松田くんに同意ィィッ!」
松田と元浜が敵意剥き出しで睨みつけてくる。
こいつらが言うには、俺は女子に人気があるらしい。──確かに、たまに女子たちから好意的な視線を感じることはあったが。
「モテないことで俺に当たるな。──ていうか、モテないのは日頃の行いのせいだろうが」
この三人は通称、変態三人組と呼ばれている。理由はまぁ、文字通り変態でスケベだからだ。そして、普段から女子達に引かれるような行いばかりを行っている。代表例としては、覗き行為だな。──はっきり言って、モテないのは自業自得であった。
「「・・・・・・ぐっ・・・・・・」」
本当のことを言われ、松田と元浜は押し黙ってしまう。
「だけど! これはこれで、あれはあれなんだよ!」
イッセーが変な食い下がりをしてくる。
・・・・・・やれやれ。・・・・・・本当は悪い奴らじゃないんだがな。
「──明日夏兄。イッセー兄」
そんな中、黒髪を後ろで束ねた一人の女子生徒が俺たちに話しかけてきた。
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