第1章
旧校舎のディアボロス
第1話 士騎明日夏
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ケットから指輪を一つ取り出し、右手の中指にはめる。
この世界にはアニメやゲームなどに出てくる異形の存在が実在する。その中に悪魔と呼ばれる種族が存在する。人間と契約し、契約者の願いを叶え、その代償として対価を得る種族だ。そして、悪魔にも法的なものはあり、それに逸脱し、己の欲のままに行動する悪魔のことをはぐれ悪魔と呼ばれる──そう、目の前の女がまさにそのはぐれ悪魔だ。
「ま、ここに来るときに言った通り、おまえの言う『いいこと』とやらには付き合ってやるよ」
「貴様ァァァァァッ!」
激怒したはぐれ悪魔が再び、爪による一撃を放ってくる中、はめた指輪の宝石部分が輝き、魔法陣が出現する。
魔法陣に手を入れ、二本のナイフを取り出す。俺はナイフを逆手持ちにし、身を翻して爪を避ける。
そのまま、ナイフをはぐれ悪魔の腕の関節部に突き刺し、もう片方のナイフではぐれ悪魔の首を斬りつける!
「浅かったか」
首への斬撃が浅かったことを察した俺は、突き刺したナイフを離し、はぐれ悪魔に背中から体当たりを打ち込む!
「鉄山靠!」
苦悶の呻き声を出し、はぐれ悪魔は再び後方へと吹き飛ぶ。
「・・・・・・貴様ァァァ・・・・・・」
ナイフが刺さった腕をブラさげ、首から血を流すはぐれ悪魔は満身創痍のような状態で忌々しそうに俺のことを睨みつけてくる。
──グズグズしてると、『あのヒト』たちが来る。あんまり長居するわけにはいかないな。
この町、駒王町はとある上級悪魔の管理下にある。その町に迷い込んだはぐれ悪魔の討伐も、管理者である悪魔の仕事だ。もし、こいつの所在を把握していたら、ここに来る可能性がある。鉢合わせになれば、いろいろとややこしいことなるかもしれない。
そう思った俺はナイフを指輪の魔法陣に収納し、別のものを取り出す。
それは、機械仕掛けの大きめな鞘に収められている鍔なしの刀だった。
俺は居合の構えをとり、音声コードを口にする。
「──Slash」
音声を認証した鞘から電気が迸り、刀に帯電する。
「小癪なぁぁぁぁぁッ!」
はぐれ悪魔が勢いに任せて突進してくる。
「・・・・・・ここに来るときに言ったはずだ──少し付き合うってな」
突っ込んでくるはぐれ悪魔をすれ違いざまに居合の一閃!
さらに、振り返りざまに切り上げで胴体を一閃!
最後に頭から下までを唐竹の一閃ではぐれ悪魔を斬り裂く!
その後、刀についた血を振り払い、刀を鞘に収める。
それと同時にはぐれ悪魔の体は俺の斬撃にそって崩れ落ちていった。
「ふぅ」
俺は息を吐き、はぐれ悪魔に突き刺したナイフを回収する。
そして、ケータイで写メを撮り、あるところに送信する。
「─
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