第1章
旧校舎のディアボロス
第1話 士騎明日夏
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以上に。
「買うもんはこれで全部買ったな。帰るか」
買いものを終え、いざ帰路につこうとしたら──。
「ねぇ、坊やぁ♪」
「──ん?」
妙に色っぽい格好をした黒髪ロングの女性が話しかけてきた。
「──何か用ですか?」
俺が尋ねると、女性は自分の胸もとをなでる。
イッセーが見たら、鼻の下を伸ばしそうだな。
「坊やぁ、これからお姉さんと『い・い・こ・と』しなぁい?」
「・・・・・・こんな人通りの多いところでですか?」
「ウフフ。も・ち・ろ・ん、いいところに移動してよぉ♪」
女性はさらに唇をなぞりながら言う。
「──いいですよ。少しだけ付き合います」
「うふふ。素直な子ねぇ。素直な子、お姉さん、大好きよぉ♪」
俺は女性について、その場から移動するのだった。
ー○●○ー
女性に連れられ、徐々に人の気配がなくなっていく中で着いた場所はとある廃工場だった。
「・・・・・・こんなところで何を?」
買い物袋をそのへんに置きながら、俺は女性に訊く。
「もちろん、『いいこと』よ」
「その『いいこと』ってのは?」
「そ・れ・は──私が坊やのことを食べちゃうことよぉぉぉぉぉぉぉッッ!」
突然、女性が狂ったような叫びをあげる。そして、女性の体が隆起していく。四肢は太く、大きくなった手からは鋭利な爪が生え、顔も醜くなっていた。まさしく、『バケモノ』と呼べるような風貌になった女性は甲高い笑い声をあげる。
「アーッハハハハハハハッ! どうしたの? ずいぶんとおとなしいわねぇ! 坊やぁ!」
醜悪な笑みを浮かべるバケモノはゆっくりと俺に近づいてくる。
「怖くて動けないのかしらぁ? 大丈夫よぉ! こわいのは一瞬だからぁぁぁぁぁッ!」
バケモノはその鋭い爪を振りかぶり、俺の胸めがけて振り下ろした。
普通なら、こんなバケモノの姿を見ただけでパニックになり、なんの抵抗もできずにあの爪の餌食になってしまうだろう──《《普通ならな》》。
「何ッ!?」
だが、俺は爪の一撃を体を傾けるだけで避ける。
バケモノはそのことに驚愕する。
そのスキに俺はバケモノの懐に入り込む!
「フゥッ!」
俺はバケモノの腹に鋭く拳を打ち込む!
ズドォォッ!
「がぁぁぁああああっ!?」
俺の一撃を食らったバケモノは後方に大きく吹き飛んだ。
「がはっ・・・・・・ごほぉっ・・・・・・! 貴様、何者だぁぁぁっ!?」
血混じりのヘドを吐きながら、バケモノは俺に問いかけてくる。
「・・・・・・一目見たときから、おまえが『はぐれ悪魔』だということに気づいていた人間、か?」
そう答えながら、制服のポ
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