暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第1章
旧校舎のディアボロス
第1話 士騎明日夏
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
場から去る。

「やれやれ。素直になれないのもだが、あいつもあいつで鈍いのもな・・・・・・」

 イッセーに千秋の想いがなかなか伝わらないのは、千秋が奥手なこともあるが、イッセー自身が鈍いところにもある。
 前に千秋がイッセーに大胆なアプローチをしかけたことがあった──のだが、それをイッセーは千秋が自分を兄のように慕ってるからの行動だと思ったようだ。イッセーは完全に千秋のことを妹のように思っちまってるところがある。
 まぁ、これは千秋自身の問題だし、あんまり俺がとやかく言うことじゃないんだろうが。

「あっ」

 そういえば、買っておかなきゃいけないものがあったな。

「帰る前に商店街のほうに行くか」

 俺は買い出しのために商店街のほうに向かうのだった。


−○●○−


 俺の家族には妹の千秋の他に兄の士騎冬夜と姉の士騎千春がいる。
 ・・・・・・そして両親は、十二年前に交通事故で亡くなっている。
 当時の幼い千秋と一緒に散歩の最中(さなか)、突然走行中のタンクローリーが車線を外れて歩道に突っ込み、横転した上に不幸が重なったのか、積まれていたガソリンが引火して爆発炎上──父さんと母さんはそれに巻き込まれて死んだ。幸い、千秋が二人から離れたタイミングだったことで、千秋は爆風で吹っ飛ばされた際にできた擦り傷だけで済んだ。
 ・・・・・・だが、同時に千秋は父さんと母さんの死を間近で見ることとなり、ひどいショックを受けることとなった。引きこもりになっていた原因はそれだ。
 その後、兄貴は俺たちを養うために十歳の身でありながらある仕事をやり始め、その二年後には姉貴も同じ仕事やり始めた。
 そして、俺と千秋も大学卒業と同時にその仕事をやることを決めている。
 ・・・・・・兄貴は内心では反対してる感じだった。なぜなら、その仕事はそれなりの身の危険が伴うからだ。だが、俺たちの意志も固く、兄貴は渋々ながらも俺達の意思を尊重してくれた。
 それまでは兄貴と姉貴の仕送りで生活することになっている。
 そんなこんなで、俺はその仕事をやることを目指しつつ、兄貴たちやイッセーたちと何事もない普通の日常を満喫していた。


−○●○−


 現在、兄貴と姉貴は仕事で家を空けており、時間を見つけたときにしか帰ってこない。そのため、事実上の千秋との二人暮らしだ。
 兄貴と姉貴の仕送りで生活しており、家事のほとんどは俺が自主的に担当している。そのため、このような買い出しはしょっちゅう俺がやっている。
 千秋も自主的に手伝ってくれるが、俺自身、家事全般をやるのが好きなのと、千秋にはイッセーとの恋のほうに集中してほしいので、家事のほぼすべてを俺一人でこなしている。
 ちなみに、兄貴と姉貴も千秋の恋を応援している──俺
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ