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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十三話
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 ――――しまった!

 キリトが内心で狼狽するのと、ホロウが先ほどとは異なる、何か得体のしれない光を讃えた瞳で、頬を上気させながらこちらを向いたのは、ほぼ同時だった。

「あなたの血は、何色ですか……? 私と同じ、赤? それとも違う色? ……みせて……?」

 ゆらり、と、ホロウの背後に、何かが姿を現そうとしていた。

 それが何だったのか――――結局、キリトには想像がつかなかった。

 なぜならば、《それ》が出現する前に、地面に落下してきた真紅の槍が、一騎打ちを終了させたからだ。

「そこまで。見事であった」

 それを投擲したのは、黄金の髪をたなびかせる少女――――アニィ・イクス・アギオンス・レギオンキングだった。

「あぁぁんっ! もうぅぅっ! どうして止めるんですかぁ、アニィさんんんッ!!」
「そこまでにしておけ、卿よ。兄者が制止を掛けに来るかもしれぬ故な。仕方なしに集結させていただいた」
「……それは、嫌ですね……」

 しゅぅぅぅ、と音を立てるように、ホロウがしぼむ。背後に立ち上っていた陽炎も消滅し、ホロウはいつもの調子に戻ったようだった。

「すまぬな、《黒の剣士》。せっかく卿が糸口をつかんだところであったというのに――――余は兄者から戦場管理者(ヴァンガード)の地位を任されているが故、この様な手段に出るもやむなしと判断したわけだ。
 重ねて謝罪しよう――――卿を、何の面白みも無くこの場で消し潰すことを。
 『十九八七六五四三二一〇
  いと尊き我が兄に、この誓いを捧げよう』」

 猛々しい笑みでこちらを向いて、謝罪した彼女は――――直後、聞き覚えのある起句と共に、終結の祝詞を紡ぎだした。

「『その昔、支配地全てを統一した祖神は
  華やかな妻のみを欲し、その一族を貶めた
   
  その昔、財の全てを手にした英雄王は
  不死を求めて旅に出て、その可能性を失った

  遥か嘗て、輝く地に住まいし名も無き神は
  その地のあらゆる王を食いつくした。

  即ち是貪欲の相也。
  
  神さえその法よりのがるる事叶わず――――

  その名は《強欲(avaritia)》。

  ――――《惟神》――――

     《強欲(avaritia greed)

  《神・哭・神・装》

  ――――《惟神》――――

     《強欲(avaritia greed)》!!』」


 彼女の背後にまとわりついていた半透明の巨大な狐火――――《マモン》が、アニィの体を覆っていく。

 軍服めいたコートは、カラスの翼のような装飾で飾られ、彼女の頭には狐の耳に似た器官が出現する。瞳孔は縦に割れ、黄金の髪の毛が伸び、その先端が
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