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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十三話
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振るわれたそれが、金属質な音を立ててホロウの大剣を殴っていく。

 《片手棍》ソードスキル――――

「《ヴァリアブル・ブロウ》!!」
「……っ!」
 
 ホロウの表情が、初めて動いた。

「なるほど……次々に武器を持ちかえて、対応するつもりですか……やっと楽しくなってきましたね!」

 銀色の大剣へと、防御する剣がシフトする。その隙を狙って、次の武器へと持ち替える。

 赤色の愛らしい星が煌めく。

 メイスの代わりにキリトの手に納まったのは、プライオリティの高そうな短剣。

「……《ラピッド・バイト》!!」

 素早い五連撃が突き出され、ホロウの交差された大剣の隙間を狙う。

 つぎに輝いたのは、真っ白な星。ひときわ大きな星だ。

 短剣の代わりに出現した武器は、壮麗な細剣(レイピア)だ。この剣の固有名詞なら知っている。《ランベントライト》――――アスナの、SAO時代の愛剣だ。

 繰り出すのは、細剣カテゴリを代表するソードスキル。

「《スター・スプラッシュ》!!」

 チュチュチューン! と甲高い音を立てて、流星のように刺突が迫る。ヒースクリフがかつてそうした様に、大剣(たて)を素早く動かしてそれらをさばいていくホロウ。

 だがこれで、終わりではない。

 金色の星が燦然と輝く。《ランベントライト》の代わりに出現したのは、黄金の長剣。固有名詞は《金木犀の剣》。《アンダーワールド》最硬の神器。

「散・花・流・転!!」

 ざぁぁぁっ! と音をたてて、無数の小さな花達へと姿を変えた剣が舞う。黄金の花びらが煌めき、ホロウの大剣を穿つ、穿つ、穿つ――――

 その瞬間。

「……きゃぁっ!?」

 ホロウの体勢が、初めて崩れた。

 その隙を、逃してはいけない。

 今までずっと休ませていた、左手の剣を構える。《青薔薇の剣》が、夜空にある空色の星と共に、まばゆい光を放った。

「お、ぉ、お、ぉおおおおお!!!」

 《片手剣》基本ソードスキル、《ホリゾンタル》。

 ユージオが、初めて繰り出した、ソードスキル。

『行くよ、キリト!』
「ああ、ユージオ!!」

 それは、吸い込まれるようにホロウへと打ちこまれていき――――

「と、ど、けぇぇぇぇっ!!」

 ざしゅり。

 ――――その肩口を、切り裂いた。

「あ、あぁ、あああああっ!!」

 その時だった。両手の大剣を放り投げて、ホロウが自らの肩から流れ出る鮮血をその手に掬い、恍惚とした表情で眺めた始めたのは。

「あぁっ! 血……血です! 血……血……私の血……! お兄様のそれと一緒で赤い……! ああ、なんて素晴らしい……!」

 タガが、外れたらしい。
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