食欲と渇望
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り空気を前から噴出し強制的に勢いを止める。
「もう少しでご飯なのに……何で止める!」
『何でッテ―――チ! 後ろに飛べ相棒!!』
「う……!?」
文句を言うグラトニーだったが、ラースの切羽詰まった声を聞き、次に襲いかかってきた殺気を感じ取って、空気を再び噴出して上と後ろ方向に大きく距離を取った。
飛びのいた時から僅か0.1秒後、地面が大きく切り裂かれ、有り得ない量の木々が舞い上がる。そう、木の葉では無く……半分ほどから寸断された木々が。後一瞬遅れていたら、グラトニーも斬られていたかもしれない。
殺気は言わずもがな、気配や匂いですら今まで感じた事の無い物が当たりに充満し、グラトニーは戸惑い頻りに顔を動かしている。
「なにこれ……なにこの気配……!?」
『……そウカ、相棒はまだ慣れてないんだっタカ……』
何時ものお茶らけた空気が消し飛び、ラースは真剣そのものの声色でグラトニーへ何かを話そうとした。
しかし、ソレを許さないと言わんばかりに、会話に割り込む形で何かが地面に激突。土ぼこりを大量に巻き上げ、砕いた地面の破片を当たりにまき散らす。
「……何が……!?」
『来タゼ、有り得ないのガヨ』
土ぼこりはゆっくりと晴れて行き、徐々にではあるがシルエットが明らかになっていく。瞬間、ラースは叫んだ。
『相棒しゃがメッ!!』
「わっ!?」
鋭くも耳に心地よい快音がグラトニーの頭上を通り過ぎた直後、再び木々が紙吹雪の如く舞い上がる。
何処から湧いてきたか鼻につく嫌な臭いが充満し、眉を歪めるグラトニーへラースは再び叫ぶ。
『右! 左! 飛ベ! “風刃松濤”!』
「ヌ……グ、やぁあっ!!」
威力が洒落にならない三連続の斬撃の後、連続攻撃時とは段違いの威力を誇る斬撃が迫り、それをグラトニーは右足からの“風刃松濤”で半ば無理やり叩き落す。
飛んでくる斬撃の正体を知ったか、グラトニー今だ迫りくる無数の斬撃を時に自分の意思で避け、ラースの指示に従いながら呟いた。
「アレ……変なとこから刃物が……っ!
『また右! ……アア、奇怪な攻撃が―――ヤベッ!? 走れ相棒!!』
「うわ……!?」
バキバキと今までよりも更に大きな大樹を切り裂きながら、猛スピードで巨大な斬撃が迫りくる。コレには咄嗟に避ける判断が付かず、もう走るしかない。
「わわわわわわわ!!」
『追いつかれんナ! 死ぬぞ普通ニ!!』
「知ってる!!」
斬撃が緩やかになった一瞬を狙い、グラトニーは宙返りの要領で巨大な一撃を避けて、
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