食欲と渇望
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」」
……要するに、「皆の前でお前のエロゲーのセーブデータを暴露しちゃうぜ!」という事らしい。無駄に句切る所を変えてカタカナにしようとも、未来永劫決して残念感がぬぐえないというのに往生際が悪過ぎる。
素直に内容を口にするか、「エロゲー見られた」と言えば良いものを……嫌な予感は当たってしまった様だ。
だが、確かにこれはある意味でかなり恐ろしく、かなり負荷のかかる試練だといえよう……主に精神的に。
ドラグギルディは無言でデスクトップにあるアイコンをクリックした。
予想通りと言うべきかタイトル通りと言うべきか、メーカーのロゴの後現れたのは、エロゲーのタイトル画面だった。
働くには早すぎる年齢の女の子達が看護服を着ており、それはスワンギルディの性癖……じゃなくて属性力を象徴している。
迷わずロード画面を選んでクリックし、ドラグギルディは矢鱈ねっとりとした声でスワンギルディへ声をかける。
スワンギルディはかなり怯えており、歯の根がかみ合っていない。
……関係無い事だが、なんで白鳥に歯があるのだろか。モチーフとしているなら歯なんて一本も存在しない筈なのだが……。
「ほう、コレはどうやらこの世界で数日前に発売されたばかりのゲームの様だな……もう既にコンプリートしておるではないか、卑しい奴よ」
そうはいうが、ドラグギルディも人の事言える立場ではない。そしてスワンギルディは、一体どうやってエロゲーを買ったのだろうか。
スワンギルディは小さく悲鳴を上げ、同時に大型モニターへも同じ映像が映ったのを見て更に悲鳴を重ねる。
その表情、決して言えぬ傷を受けた歴戦の戦士の如く……………でも原因はエロゲーである。
「ふっふっふ……肌色がいやに多いセーブデータばかりよのう、一体何が起こっているのやら……?」
「お、お許しのォォっ! どうか御慈悲オオォォォっっ!!」
「むむ? だが一つだけ怪しいセーブデータがあるのぉ、コレはどうやら肌色が少ないようではあるが……」
「や、やめてくれぇぇぇっ!!」
作物が実らず自分の分も確保できず、しかし納める義務を全うせねばならぬ為にかき集めるも足りず、大切な物すら何もかも持って行かれそうになっている農民の悲痛な叫びがそこに存在していた……………しかし原因はエロゲーである。
スワンギルディの慟哭空しくセーブデータはロードされる。
場面は家の中、主人公と恐らく幼馴染と思われる少女が会話を交わすシーンに移っていた。二人きりのやり取りはしばらく続いたが、しかしその日は何も起こらず次の日に移行してしまった。
「なーるほどぉ、幼馴染が部屋に遊びに来て、空気が変わった事を察知して
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