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寄生捕喰者とツインテール
食欲と渇望
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を他のモノにも聞こえる大きさで噛み鳴らす。

 たったそれだけで場が更なる緊張に包まれた。それも先程までとは違い、鋭さを感じるものに。



「ツインテイルズの実力は本物……そしてグラトニー、彼奴の実力は謎の属性力も合わせて未知数……ならば中途半端な戦士やなまなかな実力を持つ戦士をぶつけたとて、これまでの二の舞を演じるだけだ。これから先は実力者のみが踏み入れる領域の戦となろう……我こそはと志願する者はおるか?」
「はっ! それならば、この私めにお任せを!」


 ドラグギルディの言葉に答えたのは、白鳥をモチーフとした怪人だった。まだ若いと見えるが、実直且つ純粋で、それゆえに強さを感じる。


「おお……お前は看護服属性(ナース)の申し子と呼ばれしスワンギルディか!!」
「うむ! 貴殿ならば異論はあるまい!!」



 ……またなんか厄介な属性が出てきた事はこの際の置いておく事にしよう。

 彼が志願した事で、場の空気は少しばかり変わり、安堵した者も出てきている。それ程の実力を彼は持ち合わせていると見える。

 ドラグギルディも彼の事は知っていたか、頷いて立ち上がった。



「……ふむ……だがしかし、戦うというのならばまずはこの試練を超えてからだ」



 重苦しさをはらんだ声で告げるのとほぼ同時に一陣の風が吹き、次の瞬間にはスワンギルディの前に剣が付きつけられていた。
 ドラグギルディから発せられるさっきと相まってより恐怖を醸し出すが、スワンギルディは一ミリとて視線をそらさずしっかりドラグギルディを見据えている。



「よかろう、肝っ玉は備わっている様だな……ダガもう少し試したい、次はこれと行こうか」



 ドラグギルディが指を鳴らすと、数拍の後に戦闘員が何かを運んできた。キャリーの上に置かれたそれは、オフィスではおなじみの機材……紛れも無く今の世の中には無くてはならない相棒であるパソコン……正式名称・パーソナルコンピューターであった。そして傍には大きなモニターも置いてある。


「こ、こっ……これは私のパソコン!?」



 ドラグギルディの殺気にも剣技にも恐怖を抱いてはいなかったスワンギルディが、ここにきて分かりやすく恐怖の色を顔に滲ませた。

 周りの者達からも動揺の声が聞こえてくる。


 ……何だかさっきまでは、内容は兎も角それとなく格好良かったのに、それを台無しにしそうな程の途轍もなく嫌な予感がするのは気の所為であろうか。



「沈まれ皆の者よ! コレは試練の一環! 必要不可欠な事なのである!」
「ま、まさかアレを行うというのか……!?」
「あの、あの恐ろしぃッ――――」




「「「エロゲミラ・レイターを!?」
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