銀河動乱
暗黒星雲の罠
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繰り返された。
ザース・アーン本人、精神体《アストラル・ボディ》は此処におらぬ。
私は精神交換に応じ、第2皇太子の身体に転送された過去界の男さ」
暗黒星雲同盟を統べる青色人、私と瓜二つの男が笑った。
「我々は情報伝達構造≪シナプス≫の解読装置、脳透視機≪スキャナー≫を創ったよ。
脳内情報伝達細胞の電気的抵抗値を減らす事で、天才的頭脳に進化を図った研究の副産物さ。
微弱な電気信号の解析、被験者の脳内記憶を読み取る事も出来る。
使用が長時間に及んだ場合、情報伝達細胞は短絡≪ショート≫するがね。
脳髄を喰い荒らす黒魔術、催眠暗示波放射水晶《ヒュプノ・クリスタル》の同類だな。
悪い事は言わん、理性を働かせた方が良いぞ」
「機械≪マシン≫が真偽を判定するのであれば、私も助かる。
人間を説得するのは面倒だが、機械は正直だからな。
1番表層の記憶を解析すれば、証明される筈だ」
青色人が、眉を顰めた。
「本気か?
脅迫や虚偽≪ハッタリ≫ではない、冗談では済まないのだぞ!」
「無論、理解している。
私は、自分自身と同じ位、君を信頼しているよ」
途方も無い冗談だが、真実でもある。
短時間で機械を停め、脳細胞の短絡《ショート》を避けるに違いあるまい。
「此の部屋だ」
透明な管、銀色の電極と異なり、機械本体は艶消しの黒。
脳髄を喰う黒い宝石、暗黒帝国黒科学者の暗喩か?
「忠告する。
ザース・アーン本人か否か、最も表層の記憶から確認しろ。
ディスラプター関連の情報を得たければ、私の言葉を受け容れる事だ。
忘れるな。
情報伝達細胞を壊す前に、決断するのだぞ」
他に、何も言う必要は無かろう。
放射線の照射に備え、瞳を閉じる。
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