DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十四話
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槍と刀の刀身がぶつかり合い、悲鳴を上げる。
「くぅぅ……っ!」
「……ちぃっ!!」
ガキン!
はじかれあうお互いの刀身。
ガラディーンは左手を柄に添えると、両手持ちになったその刀……弾かれて刀身が自ずと大上段に振りかぶられた状態になっているそれを、思い切り振り下ろした。
大気がカタパルトの役割を果たし、パァン! という激しい音と共に空間が爆発する。飛んでくる衝撃波。スキルの技能でも、技のエクストラ効果でもない。単純な技能――――抜刀術最上位の奥義、《魔剱》。
コハクのお株を奪う衝撃波攻撃を避けると、《妖魔槍》ソードスキル《カサブランカ・インパクト》を発動。左右上下への切り払いを経ての、上段からの斬りおろし。それにのせてこちらも衝撃波を放つ。
それを受けて、ガラディーンが術式を唱えた。
「――――『神装変換:《デス・レクイエム・ドラグーン》』!」
再び姿が変わる。
今度は薄紫色のミニスカート風の和服に身を包み、手足に包帯をファッションとして巻きつけた、勝気な表情の少女だ。手に持っているのは黒い刀ではなく、血を吸ったように赤い刀身を持つ、巨大な湾刀。
ガラディーンはコハクの放った全ての攻撃をそのタルワールで弾き返すと、同時に號と音を立ててそれを振り払う。タルワールは曲刀よりもどちらかといえば大剣に近いカテゴリの武器だ。威力が高い。
とっさに槍を構えて、防御する。
ガァン!! と激しい重音を上げて、後方へと吹き飛ばされたコハク。攻撃力が段違いだ。先ほどよりも動きは遅くなったらしいが、その分攻撃面で強化されたのだろう。刀が大きくなったがために、槍を防がれやすくなり、防御面も強化されている。
「……厄介ね」
思わずつぶやかざるを得ない。
絶望的なまでの戦闘能力は、今だ見せていない。
だが、自分たちと同格の力を流出させているからこそ――――何をされるか分からず、逆に緊張感を募らせなければ無くなって来てしまう。
上手い。
戦い方が、上手い。
「強い……っ!」
それがコハクがガラディーンに対して抱いた、率直な感想だった。
だが。
だがしかし。
コハクは、どうしても彼女を認められなかった。
彼女には――――力があるのだ。
コハクは、自分が無力だと思っている。セモンはそんなことないと言ってくれるけど、きっと彼の足を引っ張っている。ハザードやシャノンのように、彼と長い間を共に過ごしたわけでもない。
何より、コハクは弱い。旧SAO時代、《聖剣騎士団》では一番レベルが低かったし…シャノンが278、ゲイザーが214、ハザードが12
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