暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十四話
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「……」
「……」

 真っ白い王の間の、その隅で。

 コハクとガラディーンは、無言で向き合っていた。

 コハクは青い水晶の刀身を持つ、黒い長槍――――《冥刀・青乱》を構えて。

 ガラディーンは、その手で見えない刀を構えるような立ち方で。

 両者ともに、その眼に宿っているのは、圧倒的な敵対心。両者ともに、誰かへの忠誠。

 しかし決定的に違うモノが一つ。片方は、本心からの。もう片方は、強制混じりの。

「……コハク。《妖魔槍》。知ってるけど、名乗りなさい」
「……この世界では、《ガラディーン》って名乗らさせられてる」

 お互いに名乗り合うコハクとガラディーン。それを合図にしたように――――二人とも、戦闘態勢へと移行した。

 コハクは《青乱》の刀身をガラディーンに向けつつ、腰だめに構える。

 ガラディーンは不存の刀を居合の構えで固定する。

 徐々に、徐々に、高まっていく緊張感。

 最初の一撃は、ほぼ同時に発された。

「――――セェェィッ!!」
「――――ッ!」

 裂ぱくの気合いと共に、コハクが槍を振りかざす。発生した花びらのような形状の衝撃波が、高速でガラディーンを穿ちに奔る。

 同時にガラディーンも不存の刀を抜刀。不可視の刃が放たれ、コハクの放った衝撃波と空中で激突、剣戟だけがその場に残る。

 その激突が終わる前に。

 すでに二人とも、駆け出していた。

「ぃえぁぁぁっ!」

 コハクの槍が紫色に輝く。《妖魔槍》ソードスキル二連撃、《ロゼッタ・ロザリオ》。十字を切るようにクロスした斬撃。

 それを、ガラディーンが存在しない刃で叩き斬る。

 と、同時に。

「――――神装変換術の起動解除を申請! ――――『神装変換(スタイルチェイン):《アスリウズライト》』!」
 
 ガラディーンの容姿が変わった。

 ポニーテールと一つ結びを合わせた様な形状だった髪型は、腰ほどまでもある下ろし髪に。

 黒かったくせ毛は、こげ茶色のストレートに。

 そして大正時代の女学生を彷彿とさせる様式だった和服は、カソックと陣羽織を合わせた様な和服と、現代の学生の着るブラウスへと。

 同時に、存在しなかった剣が、その姿を形成する。

 それは、漆黒の刀だった。光が当たると、その部分がなぜかより漆黒に輝く。

「なっ……」
「……シィッ!!」

 小さな気合いと共に、目にもとまらぬ速さで刀身が振りぬかれた。斬!! というようなおぞましいサウンドエフェクトが響きわたり、空間が切断される。コハクはあわててそれを避けると、今度は両手槍用突進系ソードスキル、《へヴィー・チャージ》を発動。

 一瞬で肉薄したコハクとガラディーン。
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ